全日空、メキシコシティ線に就航、成田発初便はほぼ満席
全日空(NH)は2月15日、成田/メキシコシティ線に就航した。近年、自由貿易協定(FTA)などを背景に、日系企業のメキシコ進出が拡大していることを受けたもので、1日1便を運航する。使用機材はボーイングB787-8型機で、座席数はビジネスクラス46席、プレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス102席の計169席。NHによると成田発初便には164名が搭乗し、搭乗率は97.0%だった。16日に出発するメキシコシティ発の初便は76%となる見込み。
同日に成田空港で開催した就航記念式典において、NH代表取締役社長の篠辺修氏は、当面は7割程度の搭乗率をめざす考えを示した。同区間については、アエロメヒコ航空(AM)が週5便で直行便を運航しており、3月2日からはさらに2便を追加してデイリー化するが、篠辺氏は「メキシコ人はAMに寄ると思うが、日本人は我々の方が多く運ぶことになるだろう」と自信を見せた。
NHによると、利用者は日本発の方が多く、日本発・メキシコシティ発ともにビジネス需要が大半を占める見込み。2月の予約率は73%で推移しているという。
篠部氏はメキシコシティ以遠の中南米への送客については、「現時点で我々には、メキシコシティから中南米へのネットワークを持つパートナーがいない。AMもスターアライアンスではないので提携していない」と説明。選択肢として、同じスターアライアンスに属し、共同事業を実施するユナイテッド航空(UA)のヒューストン路線などがあるものの、パートナー探しを急ぐ考えを示した。候補となる航空会社については「大手ではなくとも、メキシコシティを含む中南米にネットワークを張っている会社」とのみ語った。
▽トランプ大統領、現時点では「予約に影響なし」
篠辺氏は、米国大統領のドナルド・トランプ氏による各政策の影響については「今のところ予約動向にはまったく影響ない」と強調。メキシコに進出している日系企業の経済活動への影響についても、「動向は引き続き注視するが、大きな変化は感じていない。直ちに何かを判断するような材料はないのでは」との見方を示した。
この日の式典には、国土交通副大臣の田中良生氏や、外務副大臣の薗浦健太郎氏、駐日メキシコ大使のカルロス・アルマーダ氏などが出席して、テープカットを実施。そのほか、ANAグループの社員によるブラスバンド「ANA NARITA SKY BAND」の演奏にあわせて、民族舞踊のダンサーがメキシカン・ハット・ダンスなどを披露した。初便の搭乗者にはオリジナルのタンブラーなどを贈呈した。
▽NH、成田/メキシコシティ線運航スケジュール(2月15日~)
NH180便 NRT 16時40分発/MEX 13時55分着(デイリー)
NH179便 MEX 01時00分発/NRT 06時35分着※翌日(デイリー)