万一の情報漏えいに対応「サイバー保険制度」 全旅協会員向けに販売

 サイバー攻撃による顧客情報漏洩事件が旅行業界でも多発する中、全国旅行業協会会員向けの「サイバー保険制度」が発売される。損害保険ジャパン日本興亜(SJNK社)が引受保険会社となり、顧客対応と会社防衛の両方を支援するサービスを提供。中小旅行業者がとるべき対策の一つとして観光庁が示した専門家の派遣などの緊急時サポート総合サービスも付帯されている。

 近年、不審メールからの感染でシステムが故障したりPC内部の顧客情報が漏洩するなど、外部からのサイバー攻撃で被害を受ける危険性が高まっている。この保険では、代替機の導入などシステムの復旧をはじめセキュリティ強化の費用も一部出る。顧客への対応費用、再発防止の社員研修費用などもカバーされる。

 また、サイバー攻撃よりも発生頻度が高いと思われる社員の人為的ミスで顧客(個人・法人)情報の漏洩、またはその恐れが発生した場合にも保険が適用される。車上荒らしや電車での情報盗難、メールやファクスの誤送信といった日常起こりうる事態にも対処できる。

 さらに万一の場合は、SJNK社が窓口となって緊急事態に応じた専門の支援会社や弁護士を相談しながらアレンジ。専門家サービスの利用料金は有料だが、事故対応特別費用保険金がこれに充てられるので補償限度額までは実質無料で支援を受けられる。当局やマスコミ対応支援、コールセンターの設置支援も可能。謝罪やお詫びの金品といった賠償問題も含めてカバーできる。

 保険は、中小事業者が多い全旅協会員向けにカスタマイズ。補償額1億円のタイプを筆頭に4タイプが用意され、最も安い掛け金では年間1万1110円と加入しやすい。被害発生の際に保険金から差し引かれる会員の自己負担額が0円であることも特筆事項だ。

 顧客情報を漏洩した企業の信頼回復や顧客対応に要するリスクを軽減するためにも、加入を検討したい。問い合わせは旅行ビジネスサポート 電話03-6272-9704。

 (17/02/14)


情報提供:トラベルニュース社