HISグ、ロボット事業で新会社「ハピロボ」、店舗内実験へ
ハウステンボス(HTB)は1月30日、ロボット事業専門の子会社「hapi-robo st(ハピロボ)」の設立会見を実施した。同社は他のロボット関連会社に対し、開発サポートや技術提供、実証実験などのサービスを提供する企業で、ロボット関連の製品・サービスを利用する企業へのコンサルティングや、自社開発による独自のロボット関連製品・サービスの提供もおこなう。ロボットの製造は外部に委託する。会見で登壇したエイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長兼社長で同社代表取締役会長の澤田秀雄氏は「5年、10年かけて世界に夢と幸せを与えるような、世界有数のロボットカンパニーにしたい」と意気込みを示した。
新会社は昨年7月に設立し、今年から本格的に事業展開を開始した。社員数は14名、資本金は6400万円で筆頭株主はHTB。今後は増資を予定しており、その際はHISも出資する予定だ。代表取締役会長はHTB代表取締役社長でもある澤田秀雄氏、代表取締役社長はHIS取締役CIO(最高情報責任者)でHTBの取締役CTO(最高技術責任者)の富田直美氏が務める。
澤田氏は「サービス業も普通の企業も、今後世界で活躍するためには生産性を挙げなければならない」と話し、そのためにはさらなる自動化、ロボット化、システム化、AIなどが必要になるとの見方を説明。富田氏は「ロボット開発も進めるが、まずは企業のコンサルティングから。すでに2桁の数の企業と話を進めている」と語り、年内に10社とのコンサルティング契約をめざす考えを示した。
ハピロボでは今後、旅行会社の店舗のカウンター受付ロボットの開発も進める予定。今年中にHISの首都圏の店舗にロボットを設置し、接客の実証実験を開始する。澤田氏は「AIに経験値を積ませる必要がある。店舗でお客様対応ができるようになるまで、1年はかかるのでは」との見通しを説明した。ロボットが答えられない質問については店舗のスタッフがサポートし、随時改良に努めるという。
澤田氏は実証実験を、HTBの園内や「変なホテル」で積極的に展開する考えを語った。園内ではゴミ箱にセンサーを取り付け、ゴミが容量の8割から9割程度溜まると、自走式のロボットが回収に来るようにする予定。また、すでに開発した、シャープのロボット型携帯電話「ロボホン」21体に演奏をさせるシステムを活用して、2月には「変なホテル」の1号店に「ハピロボ楽団」を導入するという。
なお、「変なホテル」については3月に2号店を浦安に、8月にラグーナテンボス内に3号店を開業する予定。澤田氏によれば、年内には大阪にも出店するほか、「変なホテル」として上海や台湾のホテル運営を受託する計画だという。