ドイツ、今年はルターの宗教改革500周年、世界遺産など訴求
ドイツ観光局はこのほど開催した懇親会で、2017年のプロモーションテーマを発表した。マルティン・ルターによる宗教改革の500周年にあたることから、ルターゆかりの世界遺産などをアピールする。同局局長のレイカート・ケッテルハーケ氏は、宗教改革が日本人には馴染みのないテーマであるとの見方を示した上で「日本人が興味を抱く歴史的建造物、絵画や音楽などの芸術をアピールする」と語った。
懇親会では同局ディレクター・マーケティングの西山晃氏が17年のテーマに合わせた3つのモデルコースを紹介。今月中にウェブサイト上で、電子パンフレットとして公開するという。
例えばフランクフルトからポツダムまでのコースでは、ルターが過ごした「ルターハウス」や、ルターが新約聖書をドイツ語に翻訳した世界遺産の「ヴァルトブルク城」のあるアイゼナッハ、「95か条の論題」を貼り出した教会があるヴィッテンベルクなどを訪問する。
同氏は、アイゼナッハについてはバッハの生家もあることから、ルターとバッハを組み合わせた旅を提案。ルターゆかりの地には「ゲーテ街道」の都市が多いこともアピールした。
このほか、ケッテルハーケ氏は16年について、欧州各地でのテロ事件の影響などから「簡単ではない年だった」と振り返り、16年はスイスやオーストリアと共同でプロモーションを実施したほか、欧州連合(EU)に加盟する16ヶ国とメディア向けのワークショップを開催したことを紹介した。ドイツ観光局によれば、1月から9月までの間にドイツを訪れた日本人の述べ宿泊数は12.6%減の79万7037泊で、9月単月では12.2%減の12万998泊。
なお、ドイツ観光局は18年については「ドイツの食」を、19年は世界遺産の造形美術学校「バウハウス」創設100周年などを、20年はベートーベンの生誕250周年をプロモーションのテーマとし、キャンペーンを実施する予定だ。