ベルリンでXマス市にトラック、死者12名-外務省が注意喚起
外務省は12月20日、現地時間の19日夜にベルリンのカイザーヴィルヘルム教会前のクリスマスマーケットに大型トラックが突入して死亡者を出した事件を受け、注意喚起のためのスポット情報を発出した。現場はショッピングモールなどのある繁華街に近く、ベルリン警察によれば12名が死亡し48名が負傷。突入した車両に乗っていた2名のうち1名は死亡し、1名は拘束したという。
ドイツでは今年7月にバイエルン州のビュルツブルク近郊やアンスバッハでテロ事件が発生。10月にはザクセン州ケムニッツで爆弾テロを計画した疑いでシリア人男性が逮捕されている。11月と12月にはライラント=プファルツ州で、イラク系ドイツ人の少年がクリスマスマーケットをねらった爆弾テロを試みた疑いで逮捕された。
本誌の取材に応えたジェイティービー(JTB)によれば、今回の事件を受けた消費者からの問い合わせや、予約のキャンセルなどはほとんどなかったという。この時期のドイツ旅行商品については「ニュルンベルクやドレスデンなど、他の有名な都市のクリスマスマーケットを訪れるツアーが中心」で、事件発生時にもベルリンに同社のツアー参加者はいなかった。同社は今後、ツアーの参加者に対して一層の注意を求める考え。
エイチ・アイ・エス(HIS)も、事件発生時にベルリンを訪れていたツアー参加者はいなかった。年末年始の予約については「すでに申し込まれたお客様の反応を、現地の状況を注視しながら見守りたい」という。
外務省は発出したスポット情報において、ドイツへの旅行者に対しては最新の情報を入手するとともに、クリスマスマーケットに近づかないよう要請。あわせてテロの標的となりやすい場所を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、安全確保に努めるよう呼びかけている。
ドイツ観光局によれば、2016年1月から10月までの間にベルリンを訪れた外国人旅行者数は前年比3.3%増の423万8253人で、延べ宿泊数は3.5%増の1196万4261泊。このうち日本人旅行者数は15.2%減の4万553人で、述べ宿泊数は14.2%減の10万1103泊だった。