アビアレップス新CEOが来日、訪日需要取込に意欲
アビアレップスはこのほど、今年5月末に最高経営責任者に就任したエドガー・ラッカー氏と、会長に留任したマイケル・ゲーブラー氏が来日したことにともない、旅行業界誌向けの記者会見を開催した。ラッカー氏は日本市場について「日本のアウトバウンド市場はすでに成熟しており伸びが鈍化しているが、インバウンド市場は急成長している」との見方を示した上で、「アクセスの利便性が向上すれば、日本の魅力はさらに増す」と強調。今後は同社が展開する航空会社のGSA業務などで、グローバルに訪日需要を取り込む考えを示した。
ラッカー氏はそのほか「アビアレップスの全世界の事務所で、日本政府観光局(JNTO)など日本のプロモーション事業を引き受けたい」とアピール。一方、日本政府が「明日の日本を支える観光ビジョン」において、2020年までに年間訪日外国人旅行者数4000万人の目標を掲げたことについては「宿泊施設だけでなく、あらゆる受入体制を一気に整えないといけない。(政府は)大きなチャレンジに直面するだろう」と述べ、「受入体制が整っていなければ、マーケティングをするのは困難」との懸念も示した。
低迷している日本の海外旅行市場については「経済そのものをベースアップさせなければ、特に長距離方面などをかつてのように復活させるのは難しい」との見方を示した。加えて、近年は海外の観光局がアジア圏では日本よりも中国や韓国に注目していることを説明。「中国や韓国に投資した方がより短期的なリターンが見込め、日本は刈り取りまでに時間がかかると判断されている」と伝えた。
その一方で「今後、日本の海外旅行市場が回復すれば、これほど安定的で約束された市場はない」とも強調。「日本人は治安や衛生面に過敏に反応する」ことを懸念しながらも、「短い期間で欧州のすべてを見て周るなど、旅行中の消費が積極的」「マナーがよく控えめで、渡航先でトラブルを起こすことがない」などの長所を評価し、「長期的に見れば日本に投資することが正しい戦略」との考えを示した。
なお、同社のビジネスでは観光局のレップ業務が大きな比重を占めるが、今年に入りマリアナ政府観光局など複数の日本事務所の契約が立て続けに終了していることについては「我々のサービスの質に陰りが見えたとか、ポテンシャルが低下したという訳ではない」と主張。「観光局の方針変更などにより契約が終了することもあれば、再度方針が変更されて再契約することもある」と事情を説明した。