TDR近くに日本初の「ハイアットプレイス」、19年春に
ハイアットホテルズコーポレーションは2019年春、千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート(TDR)の近くに「ハイアットプレイス東京ベイ」を開業する。米国を中心に255軒を出展している「ハイアットプレイス」はアジアには3軒出店しているが、日本での開業は初めて。このほど不動産開発事業などをおこなう相互物産と、両社の関連会社を通じてホテル運営を受託した。
12月1日の記者会見で、日本ハイアット代表取締役の阿部博秀氏は「ハイアットプレイス」について、「宿泊客に過剰なサービスや施設を提供するのではなく、必要なサービスをシンプルかつスムーズに提供する」と説明。多くのレストランやスパを提供するフルサービスホテルや、宿泊特化型のビジネスホテルとは異なる「新しいコンセプトのホテル」であることを強調した。
同氏は、今日の宿泊客のニーズが多様化していることについて「高級ブランド志向ではなく、自らの価値観に適し、コストパフォーマンスに優れたものを求める人々が増えた」と説明。訪日客の増加に伴い国内のホテルが増え、種類が多様化するなか「宿泊客が目的によって宿泊施設を使い分ける時代」が到来したと語り、「従来型のホテルとは違うハイアットプレイスなどで新たなニーズに対応し、マーケティングに取り組んで、今後も出店していきたい」と話した。
「ハイアット プレイス 東京ベイ」はTDRから約4キロメートルの位置にあり、地上10階・地下1階。敷地面積は約1万240平方メートル、延床面積は約2万1000平方メートルとなる。客室数は2つのスイートを含む365室で、客室の広さは30平方メートルから140平方メートルまで。テラス付きの客室やベッド4台の家族向け客室も用意する。
料飲施設は24時間利用できるレストランやバーを用意。ルームサービスはないが、レストランの料理を部屋に持ち込むことを認める。朝食は無料で提供する。フィットネス施設やキッズコーナー、90平方メートルの2つの会議室、約140台分の駐車場も設ける。このHこあ、相互物産のグループ会社が運営する、鉄板焼きと寿司のレストランも入店する。
稼働率の目標は90%で、主要ターゲットはTDRを訪問するレジャー客。1980年以降に生まれた「ミレニアル世代」を中心に、カップルから家族まで幅広い層をねらう。セールスはTDRと協力しておこなう考えで、今後は提携について検討する。
また、ビジネス需要の取り込みもめざす。阿部氏は「例えばビジネスで訪れ、休日にディズニーランドを訪問するなど、多様な使い方があるのでは」と話した。宿泊客のほとんどは日本人となる見込みだが、訪日外国人の利用も視野に入れる。1室あたりの宿泊料金は「運営が安定した段階で2万円台後半をめざす」という。
このほか、記者会見では相互物産代表取締役社長の小澤真也氏が登壇。「TDR周辺には世界的なブランドが出店しているが、ハイアットだけはなかった」と語り、「日本初進出のブランドはインパクトがある」と期待を示した。