JR東、今冬も「行くぜ、東北。」スタート、訪日客獲得へ
東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月17日、12月1日から来年の3月31日まで実施する東北6県との共同観光キャンペーン「行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび」のキックオフイベントを、上野駅構内で開催した。「行くぜ、東北。」は東日本大震災からの復興を観光で後押しするキャンペーンで、2011年11月に開始。12月からの4ヶ月間はキャッチフレーズとして「冬のごほうび」を打ち出し、東北観光推進機構とも協力して旅行需要が減少する冬の東北の魅力を訴求する。旅行会社と協力して各種旅行商品を販売するほか、訪日外国人旅行者の取り込みも強化する。
キックオフイベントでは新たなテレビCMの紹介後、主催者を代表してJR東日本代表取締役社長の冨田哲郎氏が挨拶。冨田氏は各県の協力に感謝を示した上で「商品をたくさん揃えるので冬の東北を訪問してほしい。海外にも情報を提供する」と述べ、本格的に訪日外国人旅行者の取り込みに注力する考えを示した。期間中の国内外から東北への送客目標としては、20万人を掲げた。
その後は東北6県から駆けつけた知事または副知事が、それぞれ3分程度のプレゼンテーションを実施。雪景色や温泉、祭りやグルメなど、各県の冬の魅力をアピール。各知事はイメージキャラクターである女優の松岡茉優さんと一緒に、キャンペーン用のポスターやガイドブックなどにも登場する。
JR東日本によれば「行くぜ、東北。」のキックオフイベントに全県の知事クラスが集結することは珍しく、東北観光推進機構が今年4月に仙台市で開催した「観光で東北を元気にするシンポジウム」に6知事が参加したことが大きく影響したと考えられるという。同機構会長でJR東日本取締役会長の清野智氏は挨拶において「東北が一体となってキャンペーンを進める」と述べ、6県の一体感の高まりを強調した。
今回の「冬のごほうび」では、びゅうトラベルサービスをはじめとする東日本エリアの主要旅行会社が、既存の旅行商品に加えて「雪祭り&絶景」「温泉」「食」「酒」の4つを柱としたキャンペーン専用旅行商品を造成。同社はJR乗車券と69軒の宿泊施設、イベントなどを組み合わせた個人型旅行商品や、約70コースの添乗員付き東北周遊商品を発売する。旅行商品の購入者には各種の割り引きや、各県知事からの「ごほうび」を提供する。
今季から本格的に開始する訪日外国人旅行者の取り込みについては、関係官省や自治体などの関係者と協力して、海外市場に「冬の東北」を訴求。びゅうトラベルサービスが受託している日本政府観光局(JNTO)の東北プロモーション事業では、10月下旬に台湾と香港からメディアや旅行会社を招致。1月から2月にかけては中国とタイからも招致する。
同社はそのほか、8月に発売した中国国際航空(CA)の仙台線を利用する訪日旅行商品の提供期間を、当初の12月31日から3月17日まで延長。鉄道パスと宿泊、オプショナルツアーを組み合わせた「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」については10月に冬商品の発売を開始し、台湾、香港、中国、タイ、マレーシア、インドネシアで説明会を開催する。