16年上期の旅行収支は6228億円の黒字-23ヶ月連続プラス

  • 2016年11月15日

 財務省がこのほど発表した国際収支状況の速報値によると、2016年上期(4月~9月)の旅行収支は6288億円の黒字で、前年から黒字幅を212億円増やし、上期として過去最大の黒字となった。日本政府観光局(JNTO)によると、16年上期の訪日外国人旅行者数は過去最高となる18.0%増の1222万4844人。出国者数は5.8%増の855万2992人だった。

 サービス収支は前年の8653億円の赤字から赤字幅を163億円拡大し、8816億円の赤字となった。財務省によると、旅行収支が小幅ながら黒字幅を拡大したものの、知的財産権等使用料などからなる「その他サービス収支」が昨年の1兆1312億円の赤字から1兆1420億円の赤字へと赤字幅を拡大したことなどが要因という。

 一方、貿易収支とサービス収支をあわせた「貿易・サービス収支」は2兆1139億円の黒字となり、前年の1兆2722億円の赤字から大幅に黒字転換した。これにより、国際収支の経常収支は前年から黒字幅を拡大し、1兆7640億円増の10兆3554億円となった。

 9月単月の旅行収支は670億円の黒字で、前年から110億円増加。23ヶ月連続の黒字で、同月としては過去最大の黒字となった。JNTOによると、9月の訪日外国人旅行者数は同月の過去最高となる19.0%増の191万8200人。出国者数は1.3%増の154万5000人だった。

 サービス収支は、旅行収支が黒字幅を拡大したものの、その他サービス収支が赤字幅を519億円拡大して1088億円の赤字となったことなどから、赤字幅を525億円拡大して1118億円の赤字となった。貿易・サービス収支は黒字幅を5216億円増加して5307億円の黒字に。これにより、経常収支は黒字幅を3689億円増加して1兆8210億円の黒字となり、14年7月から27ヶ月連続で黒字となった。