現地レポート:ワルシャワ、ショパンが生きた街
LO直行便で利便性向上
歴史や体験型素材の魅力をアピール
今年の1月にポーランド航空(LO)が成田/ワルシャワ線を開設して以来、中欧観光の中心地として注目されるポーランド。LOによれば日本路線は好調で、周辺諸国との周遊ツアーやポーランド1ヶ国を周るツアーなど、さまざまなツアーが造成されているという。今回はLOが9月に実施したメディアツアーから、ワルシャワの観光素材や現地の日本市場への期待などをレポートする。
ショパンと世界遺産、自然の多さをアピール
ワルシャワ観光局(WTO)は、LO就航を好機と捉え、日本向けのプロモーションを強化する方針だ。日本市場を担当するシニアスペシャリストのカミラ・オレシンスカ-アウグスティニアク氏は、日本にワルシャワをアピールするためのテーマとして「ショパン、世界遺産、グリーンシティ」を挙げ、「ショパンは日本市場への大きな鍵だが、世界遺産の街であり、緑や自然が多いこともアピールしたい」と話す。首都でありながら公園が多く、郊外にもサイクリングやノルディックウォーキングができる生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)のカンピノス国立公園があるなど、自然やそのなかでの体験を訴求したい考えだ。
WTOによると、2015年にワルシャワの観光案内所を訪れた日本人は前年比約31%増の1万898人。16年1月から9月の累計では9802人といい、オレシンスカ-アウグスティニアク氏は日本からのLOの直行便に「大きな期待を寄せている」と語った。
「ショパンの街」を楽しむための観光アプリも
WTOは長年、ワルシャワを「ショパンの街」としてアピールしてきた。ショパンは39年の生涯のうち、ウィーンに旅立つ20歳までをワルシャワで過ごしたため、あちこちにゆかりの地があり、観光客向けに整備されている。
その1つが、ボタンを押すとショパンの曲が流れる「ショパンベンチ」。10年のショパン生誕150周年を機に、ショパンの心臓が安置されている聖十字架教会など15ヶ所に設置した。さらに今年、WTOはショパンに関する無料アプリをリリース。スマートフォンを建物や建物のあった場所に向けると、ショパンの生きた19世紀の建物の様子が画面上にCGで再現され、音声ガイドや音楽を聞くことができる「ショパン・イン・ワルシャワ」と、ショパンと一緒に写真を撮ることができる「セルフィー・ウィズ・ショパン」の2種類で、日本語にも対応している。
ワルシャワ郊外のジェラゾヴァ・ヴォラにあるショパンの生家では、ショパンが生まれた部屋での生演奏や、庭園の散策を楽しめる。ワルシャワから車で1時間と個人で行くにはやや不便だが、市内のショパン博物館からのミニバスによる送迎と、両施設の入場チケットをセットにした「ショパンパス」を発売しているので、個人旅行の手配などで使いたい。
このほか、レストランやカフェでもショパンをテーマとした食事を提供する店が増えており、食の面からもショパンを楽しめる。ショパン博物館に隣接する「タムカ43」では当時の食と現代のアイデアを融合した創作料理を、街中に数店舗あるカフェ「バティダ」ではショパンが食べた当時のメニューなどを提供する。