スロヴェニアとクロアチアがセミナー共催、2国で誘客強化

  • 2016年10月9日

スロヴェニアのレスコヴァル氏  スロヴェニアとクロアチアの両政府観光局は先ごろ、都内で旅行会社を対象にしたセミナーと商談会を開催した。セミナーの冒頭で挨拶した、スロヴェニア共和国大使館特命全権大使のシモナ・レスコヴァル氏は、「観光はスロヴェニアのGDPの3割を占める重要な産業」と強調。英国の経済平和研究所が発表した2016年の「世界平和度指数」で、スロヴェニアは日本の9位に次ぐ10位だったことから「旅行先としても安全」と訴えた。

 同局観光局東京オフィス代表のティナ・クラケル・チャイ氏は、スロヴェニアの国土の66%が森林で、豊かな自然を楽しめる点をアピール。世界遺産のシュコツィアン洞窟群や、北西部のブレッド湖などの観光地を紹介するとともに、自然のなかで快適に宿泊するキャンプ「グランピング」や、アルプス山脈でのハイキングなどを提案した。

 加えて、今年の夏に全日空(NH)がスロヴェニアとクロアチアを組み合わせたチャーター便を6本運航したことを紹介。好調だったことから「旅行会社次第ではあるが、来年も実施したい」と意欲を示した。なお、15年には約3万8000人の日本人が同国を訪れたが、16年は欧州のテロ事件による需要減などで5%減を見込むという。

クロアチアのフラスティッチ氏  クロアチア共和国大使館特命全権大使のドラジェン・フラスティッチ氏は、「多くの日本人に2国を訪問してもらいたい」とコメント。「多くの日本人は夏に訪れるが、クロアチアは1年を通して美しい」と語り、その他の季節の誘客にも注力する考えを語った。

 クロアチア政府観光局局エキスパート・アソシエートのジヴェ・ズヴェール氏は「スロヴェニアとは地理的・文化的に近く、2国を周遊する日本人が多い」ことから、日本ではスロヴェニアと協力してプロモーションを展開する考えを説明した。同国は15年末に8年間続いた東京事務所を閉鎖したところ。当面は日本事務所をおかず、本国主導でプロモーションを実施する。同観光局によれば15年の日本人訪問者数は15万7725人で、16年1月から8月までの累計は0.1%増の8万905人。

 商談会の様子。観光局やツアーオペレーター、航空会社など16社・団体が出展した  このほか、セミナーでは在大阪クロアチア共和国名誉領事館秘書の山崎エレナ氏が登壇し、「冬のクロアチアのツアー造成に注力して欲しい」と呼びかけた。同氏はザグレブのクリスマスマーケットなどクリスマス前後のイベントや、2月にアドリア海沿岸のザガルで開催される「マグロ、寿司&ワイン祭」を紹介。このほか、7つの世界遺産や8つの国立公園などをアピールした。