経産省、訪日客の情報連携で実証実験、JTBなどと
経済産業省は10月から、訪日外国人旅行者向けにサービスや情報の提供をおこなう“おもてなしプラットフォーム”として構築する「miQip」について、「IoT活用おもてなし実証事業」を開始した。ジェイティービー(JTB)やパナソニックなどとともに、関東・関西・九州の3地域で生体認証を使った決済サービスなどを実験するもので、2020年の利用開始をめざす。大日本印刷が提供するシステムを活用し、運営はデロイトトーマツコンサルティングが担う。
miQipは、訪日外国人に自身の個人情報やクレジットカード情報などを登録してもらい、その一元管理されたデータに基づいて事業者がサービスを提供するもの。訪日外国人にとってはサービスごとに同じ情報を登録する手間を省くことができ、事業者は訪日外国人の趣味や嗜好、行動、購買履歴などの情報を収集・解析して新たなサービスの開発やマーケティングに活用できる。
関東での実証実験は、JTBコーポレートセールスなどが箱根や湯河原、鎌倉などで実施。指紋認証を使った決済や宿泊施設のチェックインなどをおこなう。関西はパナソニックグループを中心に、大阪の商業施設などで手のひら認証を用いた決済や、タブレット端末を用いた多言語情報提供サービスを実施する。九州ではJTBなどが福岡で特典付きのカード型商品券を発行。既存の訪日外国人向けスマートフォンアプリとの連携による情報収集も試みる。