ベトナム航空、全日空との共同運航に期待、FFP提携も
ベトナム航空(VN)日本地区総支配人のグエン・ファン・チュン氏は、先ごろ開催した旅行会社向けのセミナーで本誌の取材に応え、業務・資本提携を受けて2016年冬ダイヤで開始する全日空(NH)とのコードシェアについて「旅行者の利便性が向上して2国間の行き来が増えれば、国内線も含めてVNの利用者数が増えるのでは」と期待を示した。コードシェアは日本/ベトナム間の10路線とベトナム国内の4路線、日本国内の21路線で実施する予定で、ベトナム国内を対象にしたコードシェアはこれが初めて。VNは16年夏ダイヤまでは日本航空(JL)とコードシェアを実施するが、ベトナム国内線は対象としていない。
VNによれば、2016年1月から8月までにベトナムを訪問した日本人旅行者の累計は前年比12%増の48万2358人で、通年でも12%増を維持して75万2000人に上る見込み。チュン氏は、VNを利用してベトナムを訪問する日本人を「全体の6割程度」と見積もった上で、「そのシェアは大きく変わらないかもしれないが、コードシェアで利用者数は増えていくのでは」と期待を示した。コードシェアの具体的な開始時期は未定。
VNとNHは今年の5月に提携に関する最終契約書を締結したところで、今後は冬ダイヤ中のマイレージプログラムの提携開始に向け、システムの連携などを進めているという。共同での広告キャンペーンもおこなう予定で、チュン氏は「今回の提携と2社の路線をアピールする」と意気込みを示した。
セミナーでは、同社が推進している「女性旅」「家族旅行」「新デスティネーションの開発」「B787の販売促進」のテーマごとに、各担当者がプレゼンテーションを実施。このうち20代から40代までをターゲットにした「女性旅」については、「ご褒美の旅行」の行き先としてベトナムを訴求する考えを示し、フリータイムを多く設けるなど自由度の高いパッケージツアーの造成を呼びかけた。今後は女性誌や女性向けのウェブサイトでVNのアピールを強化する。
「家族旅行」については、担当者が自身の旅行をもとに、南部のフーコック島とホーチミンなどを組み合わせたツアーを提案。また、日本からの直行便があるダナンなどに人気が集まりやすい現状を踏まえて、ホテルなどの予約が取りやすいニャチャンなどに家族旅行を誘導することも呼びかけた。
「新デスティネーションの開発」については、成田/ホーチミン線のVN301便を利用して同日中に到着できるファンティエット、ダラットなどを担当者がアピール。商品造成の促進に注力する方針を示した。