西武HD、ハワイ事業を強化、プリンスホテルをリブランド
西武ホールディングスは、ホテル運営などからなる「ハワイ事業」を強化する。まずは、同社の連結子会社であるプリンスリゾーツハワイがオアフ島で経営する「ハワイプリンスホテルワイキキ」を、2017年春に「プリンスワイキキ」としてリブランドオープン。このほど開催したプレス発表会で、西武ホールディングス代表取締役社長の後藤高志氏は「今後はハワイ事業を、西武グループの企業価値を向上させる『ブランドリーダー』にする」と意欲を示した。
「ハワイプリンスホテルワイキキ」はホノルル空港から約20分、アラモアナセンターから約5分の場所に位置。プレゼンテーションをおこなった西武ホールディングス取締役常務執行役員の高橋薫氏は、ホノルルではアラモアナを終点とする鉄道が22年に開通予定であること、商業施設「アラモアナセンター」が16年秋から17年にかけて店舗数を拡大すること、ホテル近辺の再開発が進められていることなどを説明し、客室需要の増加を見込んでリブランドを決定した旨を述べた。投資総額は約5500万米ドルで、これまでは1名あたり約160米ドルだった客単価を、リブランドで設備を改善することにより250米ドルから260米ドル程度まで引き上げる考え。
リブランドにあたっては、客室やロビーなど館内のすべてを改装。客室数は現行の521室から563室に増やし、客室は海と砂をイメージして青とベージュを基調にデザインする。また、180度のオーシャンビューを楽しめるよう、壁一面に窓を設けて、上下に開閉する全自動のブラインドを導入する。
最上階の33階にはワタベウエディングが、267.3平方メートルの「ラニレアチャペル」をオープンする。そのほか館内では、首都圏で9店舗の寿司店を展開する活美登利が「Katsumidori U.S.A.」を出店。コーヒー専門会社のHONOLULU COFFEEもカフェを開店する。
西武ホールディングス国際企画部長の川上清人氏によると、「ハワイプリンスホテルワイキキ」の現在の利用者のうち、日本人の割合は40%程度。「米国人と日本人の割合をバランス良く保ちたい」との考えから、リブランド後は日本人利用者の割合を50%にまで引き上げるという。販路については、現在は旅行会社経由が約8割、直販が約2割。今後は旅行会社との連携は保ちつつ、増加しているFITの需要を取り込むため、直販にも注力する方針だ。
そのほか、今後のハワイ事業の方針については後藤氏が「ホテル事業と不動産事業を組み合わせた新たなビジネスを展開する」と発表した。西武ホールディングスの連結子会社のマウナケアリゾートサービスは今年8月に、同社が経営する「パプナビーチプリンスホテル」の一部を不動産投資会社のアンジェロゴードン社に売却しているが、今後は売却で得た資金を利用して、同ホテルの残りの客室や併設する「パプナゴルフコース」の整備などを進めるという。
アンジェロゴードン社は、取得したパプナビーチプリンスホテル別館の96室と、「別棟スイート・パナマヴィラ」1室をコンドミニアムとして転用する予定。西武ホールディングスは、アンジェロゴードン社からコンドミニアムを購入した所有者にケータリングや客室清掃などのサービスを提供するという。