マリアナ、日本事務所の委託先をアクセスに-座席増へ取組強化
マリアナ政府観光局(MVA)は10月1日から、日本事務所の委託先をアビアレップス・マーケティング・ガーデンからアクセスに変更する。アクセスは1984年の創業から今年の3月まで、ダラーレンタカーの日本総代理店を担当。4月からはレンタカーの検索・予約サイトを運営する米国のRentingcarz.comの日本と韓国における総販売代理店を務めている。
アクセス代表取締役社長の一倉隆氏は本誌の取材に応え、2004年から11年までハワイ州観光局(HTJ)の代表を務めた経験を活かして、北マリアナ諸島(サイパン、テニアン、ロタ)のブランディングに注力する考えを語った。特に旅行会社の商品造成や、航空会社の路線誘致などに取り組むという。専任スタッフは元ラスベガス観光局日本オフィスの岡部恭子氏と嶋田正則氏、元HTJの澤田ゆか氏の3名。
MVAによれば、2015年に北マリアナ諸島を訪れた日本人来島者数は、前年比27%減の8万832人。今年8月までの累計は27.1%減の4万1559人で、デルタ航空(DL)の成田/サイパン線の減便などにより大幅減となっている。今年6月に発表した16年の目標は6万3000人。17年は9万6892人としている。
日本から北マリアナ諸島への現在の航空便は、DLが1日1便で運航する成田/サイパン線のみ。一倉氏は、かつては日本航空(JL)などが路線を運航していたことを振り返るとともに、今後は座席増に向けて、DLなどに増便や新規就航などを働きかけていく方針を述べた。航空会社が利益を確保できるよう、MVAとしては「マリアナの認知度向上とブランディングに取り組む」という。
同氏によれば、北マリアナ諸島では大規模なカジノを含む統合型リゾート(IR)や、新たなホテルの建設が各地で進行中。客室数は20年までに、現在の2倍から3倍へと増加するという。このような状況を受けて、今後は主要ターゲットのファミリー層のほか、女性層やゴルファー、ダイバーなどの獲得にも取り組む考え。マラソン大会やトライアスロン大会などのイベントもアピールしていくという。
なお、アビアレップス・マーケティング・ガーデンはこれまで、MVAの韓国・台湾・中国・フィリピン・ロシア事務所の運営も担当。このうち韓国、台湾、ロシアについては運営を継続する。