メキシコ・オアハカ郊外、「カニャダ地方」ご紹介
カニャダ地方はオアハカ州北部、プエブラ州と接する山岳地帯です。
プエブラ州南部からこのカニャダ地方にかけて「テワカン・クイカトラン自然保護区」が広がります。この自然保護区は特にサボテンの固有種が豊富なことで知られています。
中心となる街はウアウトラ・デ・ヒメネス(Huautla de Jimenez)。オアハカ市からは、マイクロバスで約6時間。途中は数メートル先も見えないような霧に包まれたり、急峻な山道を進む道のりですが、霧の晴れ間に見える山岳風景は神々しくもあります。
ウアウトラ・デ・ヒメネスというと世界的に有名なのが「マリア・サビーナ」というシャーマンのおばあちゃん。マサテコ語しか話せなかったものの、幻覚キノコを用いた祈祷の儀式を行っていました。すでに他界しておりますが、1960年代のヒッピー文化全盛のころは、彼女の儀式を目当てにジョン・レノンやボブ・ディランもこの村にやってきたとか。このおばあちゃんの人生はちょっと悲しい結末なのですが、今でもお弟子さんにあたるシャーマンが祈祷やお祓いをしてくれます。
実際に行ってみるとかなりの山奥で、現代的な医師や薬の調達が困難だったために、つい一昔前まで人々が病の治癒をシャーマンの祈祷に頼らざるを得なかったであろうということも納得できます。
なお、この地方もあまり観光地化されていませんがですが、アメリカで一番深いという「サン・アグスティン洞窟」(深さ 1,250m)があるなど、文字通り奥が深い地域です。