HIS、3Qは減収減益、欧州低迷や中国人の消費減など影響

  • 2016年8月31日

 エイチ・アイ・エス(HIS)の2016年10月期第3四半期(15年11月1日~16年7月31日)の連結業績は、売上高(総額)が前年比2.9%減の3712億2400万円、営業利益が33.1%減の78億8500万円、経常利益が84.5%減の23億1800万円、四半期純損失が11億3200円となり、減収減益となった。売上高は燃油サーチャージの減額、営業利益は欧州などの低迷、経常利益は為替差損の増加がそれぞれ影響。純利益についてはクルーズ船の減損損失計上などにより、前年の67億4000万円から赤字に転じた。

 旅行事業の売上高は2.3%減の3294億6500万円で、HISによれば燃油サーチャージの影響を差し引いた場合は約3%増になるという。営業利益は26.5%減の46億4100万円。海外での相次ぐテロ事件により欧州方面などが低迷を続けているほか、訪日中国人旅行者によるいわゆる「爆買い」の失速で、土産物店からのキックバックが減ったことなどが影響した。

 ハウステンボスグループの売上高は5.3%減の221億1700万円で、営業利益は23.7%減の50億1100万円。九州地震の風評被害によりハウステンボスの入場者数が減少したことが響いた。第3四半期累計の入場者数は8.0%減の約210万人。

 このほか、ホテル事業は売上高が6.7%増の51億2300万円、営業利益が29.7%増の5億1000万円となり、どちらも過去最高に。アジア・アトランティック・エアウェイズ(HB)による運輸事業は、売上高が0.2%増の23億9400万円となり、営業損失は前年の7億4100万円から5億8600万円に改善した。地震の影響を受けた九州産交グループは、売上高が15.7%減の149億7600万円、営業利益が97.5%減の2100万円となった。

 通期業績については前回の予想を据え置き、売上高は0.5%減の5350億円、営業利益は4.9%減の190億円、経常利益は26.4%減の167億円、当期純利益は57.8%減の46億円とした。