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KNT-CT、地方送客で自治体との関係強化-国内商談会開催

KNT-CTの戸川氏 KNT-CTホールディングス(KNT-CT)は8月29日、都内で「国内大交流コンベンション」を開催した。同イベントはKNT-CTの全国の社員や地方自治体、宿泊施設などのサプライヤーが参加する商談会で、今年が5回目。今回はKNT-CTの社員270名に加えて、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)と近畿日本ツーリスト全国ひまわり会の会員、地方自治体などから330名が参加し、合計は600名と過去最大の規模になった。

商談会の様子   KNT-CT代表取締役社長の戸川和良氏は、商談会後の懇親会で業界誌の取材に応え、「今年は多くの地方自治体が参加してくれた」と喜びを示した。今年は初めての取り組みとして、懇親会の会場に自治体がブースを出展できるようにし、商談会終了後も商談を継続できるようにしたという。

 同氏は2013年にホールディングス体制に移行して以来、「地域誘客交流事業」「スポーツ事業」「訪日旅行事業」の3事業に注力してきたことを説明し、そのなかでも地域誘客交流事業について「我々の事業にとって大きなキーワード」と強調。国内大交流コンベンションについては同事業の「窓口」と表現し、「地方自治体や観光関連施設などと意見を交換し、新しい事業につなげていきたい」と意欲を示した。

  また「合併で旧近畿日本ツーリストの持つ自治体などとの全国的なネットワークと、クラブツーリズムのもつ(ツアーの)動員力が一体となり、大きなシナジーが生まれた」と振り返った。現在は共同で地方自治体にセールスをおこない、グループ全体で地域の活性化や誘客につながるイベントを開催しているという。

懇親会の様子 例えば今年の8月には、福井県勝山市で恐竜イベント「DINO-A-LIVE(ディノ ア ライブ) in ふくい 勝山 2016」を開催した。福井県および勝山市と共同で実施したもので、今年が2回目。今後はこうしたイベントを継続し、地域での定着をめざすことで、地域への定期的な送客をめざす。

 スポーツ関連事業については、このほど20年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の公式パートナーになったことについて触れ、今後は地方でのマラソン大会などのスポーツイベントの受注に引き続き注力し、送客につなげる考えを示した。加えて、国内外での合宿や遠征試合などの受注強化にも取り組む。

 なお、今年の国内旅行市場については「やや低調に推移している」と語った。懇親会で登壇した近畿日本ツーリスト個人旅行代表取締役社長の岡本邦夫氏も、国内経済の先行きの不透明さにより、国民の旅行意欲が停滞している旨を説明。「お客様が『旅行は欠かせない』と思えるような企画を作ることが重要」と語り、参加者に協力を呼びかけた。