Vエアー、親会社のトランスアジアと合併、10月に運航停止

  • 2016年8月10日

ZVのA320型機  Vエアー(ZV)は8月9日、親会社であるトランスアジア航空(GE)と合併する方針を明らかにするとともに、10月1日には全便の運航を停止することを発表した。日本総代理店のステラジャパンによると、理由はZVの業績不振。ZVは現在、台北(桃園)/茨城、羽田、中部、関空、福岡、那覇、チェンマイ、釜山、バンコク(ドンムアン)線を運航中だが、日本/台湾間についてはFSCに加えて日系LCC3社やタイガーエア台湾(IT)が運航しており、競争が激化していた。

 ステラジャパンによれば、ZVの日本線の乗客の9割は訪日外国人旅行者で、需要に大きな偏りがあった。平均搭乗率は、すでに9月20日からの運休を発表している羽田、茨城線は6割から7割程度。中部線は5割から6割程度、関空線は7割程度、福岡は8割程度だったという。

 合併に伴い、ZVは10月以降の出発分の航空券の販売を停止。GEは福岡線とチェンマイ線のみ運航を引き継ぐ予定で、8月末までに関係当局へ申請する予定だ。10月1日以降に出発する2路線の航空券を購入済みの人に対しては、搭乗日もしくは搭乗日に最も近いGE便に振り替える。また、9月15日までに専用のメールフォームで申請した人には無料で払い戻しをおこなう。

 その他の路線の購入済み航空券に対しては、関空、那覇線については搭乗日もしくは搭乗日に最も近いGE便に無料で変更。8月31日までに申請した人には無料で払い戻しをおこなう。中部、釜山、ドンムアン線については、対象者に全額払い戻しをおこなう。このほか、ZV航空券との無料引換券の所持者については、有効期限内に限りGE便に利用できるものとする。

 ステラジャパンは旅行会社に対して、今回の合併を通知済み。ちなみにZVは発券やキャンセルの条件がFSCよりも厳しいことなどから、旅行会社経由での販売は苦戦しており、現在はZVを利用したパッケージツアーを販売しているのは阪急交通社のみだという。阪急交通社と、ウェブサイト経由で航空券を購入したFITに対しては、それぞれ個別に連絡を取るなどの対応をおこなっている。