日本旅行、下期海外は20%増めざす、欧州は「需要盛り返す」
日本旅行はこのほど、2016年下期の海外旅行商品を発表した。下期は引き続き希少性、企画性、テーマ性に着目した商品を提供。同社の強みであるヨーロッパと16年上期から注力している米国、下期が旅行シーズンとなるオセアニアを重点方面として強化し、全方面計で前年比20%増の10万8500人の取り扱いをめざす。商品は7月1日から順次発売中。
同社によると、ヨーロッパ方面の予約はテロなどの影響で40%減で推移しているが、「以前の落ち込みよりは回復している」という。今後は英国のEU離脱による円高や、燃油サーチャージの減少などにより「需要が盛り返す」と予想。旅行者が安心して旅行できるよう、海外旅行保険の付与などのサービスを引き続き提供するという。
重点方面であるヨーロッパは上期と同様に、主力だったフランスの商品数を前年の6割程度に減らし、代わりに中欧や北欧などを増加。「大好きヨーロッパ」では、音楽や芸術をテーマにクラシックコンサートやオペラを楽しむツアーなどを拡充。15年下期はヨーロッパ1コースのみの設定だったが、今期は「音楽と芸術に酔いしれる中欧8日」など新たに2コースを追加した。
また、10月19日からイベリア航空(IB)が成田/マドリード線に就航するスペインの商品数も増加。「大好きイタリア・スペイン・ポルトガル」では、バレンシアの火祭が楽しめる特別企画「スペインのフィエスタ10日」を設定するなど、6コース増の全29コースを用意した。
米国では、添乗員同行コースなどを中心に企画性やイベント性を重視。「ベストエクセレント」で「ニューヨーク・フィルの演奏とオペラを楽しむニューヨーク6日」などを新設した。同社が音楽をテーマとしたアメリカの商品を設定するのは今回が初めて。
オセアニアは、自然をテーマに添乗員同行ツアーから個人型商品まで幅広く設定。「野生動物の楽園カンガルー島とアデレード・シドニー7・8日間の奇跡」や、添乗員同行の「エアーズロック・シドニー7日」などのコースを新たに用意した。
そのほか、四半期商品の「イチ押し」では新たにトリップアドバイザーとの協業を開始。パンフレットの巻頭で、トリップアドバイザーの口コミ評価の高い観光地やホテルを組み込んだ特別コースを掲載したほか、口コミ評価の高いホテルを利用して、旅行者の満足度向上をめざした。設定期間についても、例年は10月から翌1月までだったものを2月まで延長し、さらなる需要の取り込みをはかる。設定方面はハワイ、シンガポール、タイ、韓国など10方面。
方面別の目標人員はヨーロッパが36%増の3万200人、アジア・中国が15%増の5万9700人、ハワイが27%増の5600人、アメリカ・カナダ・中南米が26%増の3350人、オセアニアが17%増の3450人、グアム・サイパンが4%増の6200人とした。