バルト3国がセミナー開催、急増する日本人に手応え

  • 2016年7月24日

在日ラトビア大使館次席のダナ・ルナーク氏  エストニア、ラトビア、リトアニアの各政府観光局は7月21日、東京で旅行業界向けのセミナー「バルト3国ロードショー2016」を開催した。福岡、大阪に続いておこなったもので、セミナーの冒頭で挨拶に立った在日ラトビア大使館次席のダナ・ルダーカ氏は、「日本の旅行業界の尽力のおかげで、近年バルト3国への日本人旅行者数が急速に増加している」と説明。2018年は3国ともにロシア革命後の独立100周年を迎えることから、さまざまな記念イベントが開催されることを紹介し、旅行会社に商品造成を呼びかけた。

 セミナーではラトビア政府観光局日本代表の能登重好氏が、「バルト3国は安全なデスティネーション。ロンリープラネットでもベスト・イン・トラベル2016でもベスト10に入っている」とアピール。ラトビアへの日本人旅行者数は年々増加しており、15年は前年比28%増の2万1575人となったことを紹介した。日本向けのプロモーションとしては、「ハンドクラフトの国」として訴求を強める方針。リガ旧市街では「ネイブルグス」や「ホテル・ベルグス」など独立系の5ツ星ホテルでの滞在も提案する。

ラトビア政府観光局日本代表の能登重好氏  同国の観光素材については、世界遺産のリガ旧市街のほか、中世の街並みが残るツェーシス、ラトビアのスイスと呼ばれるスィグルダ、「バルトのヴェルサイユ宮殿」と呼ばれるルンダーレ城があるバウスカ、17世紀から19世紀にかけての木造建築が保存されているクルディーガなどの地方の魅力もアピールした。加えて、11月27日から17年1月7日まで開催されるクリスマスマーケットや、17年6月23日におこなわれる夏至祭のほか、ユネスコの無形遺産に登録されている5年に1度の「歌と踊りの祭典」への送客を呼びかけた。なお、同イベントの次の開催は18年。

 エストニア投資庁日本支局長の山口功作氏によると、同国への日本人旅行者数も右肩上がりで推移。同国が旅行者のSIMカード情報から独自に調査した結果、15年の日本人旅行者数は約10万人だった。今年の第1四半期も前年を上回っており、通年で10万人を超える見込み。エストニアはSkype発祥の国であるほか、マイナンバー制度もいち早く導入しており、最近では日本からの業務視察も増えているという。

エストニア投資庁日本支局長の山口功作氏  観光素材としては、世界遺産のタリン旧市街のほか、5年に1度開催される合唱祭、全国に50ヶ所ほど点在する歴史的なマナーハウスを利用したホテルやレストラン、人々が民族衣装で暮らしているキヒヌ島、タリン湾内での帆船クルーズなどを紹介した。

 リトアニアへの日本人旅行者数も好調に推移しており、15年の実績は2万1000人。リトアニア政府観光局の代理で説明に立った能登氏によれば、今後も日本市場を重視していく考えで、まだ知られていない観光素材を積極的に提案する方針だ。

 観光素材としては、世界遺産に登録された首都ヴィリニュスの旧市街で17の教会を巡るツアーなどを提案。第2の都市カウナスでは、第2次世界大戦中にユダヤ人にビザを発給した杉原千畝の記念館をアピールした。このほか、5万本の十字架が立つ丘のあるシャウレイ、歴史的な保養地でスパが有名なドゥルスキニンカイ、世界遺産のクルシュー砂州などを紹介。能登氏によれば、観光局ではファームステイにも力を入れており、特にFIT向けに「暮らすような旅」も提案していきたい考えだ。


※訂正案内(2016年07月26日編集部 12時30分)
・訂正箇所:第1段落2文目
誤:在日ラトビア大使館次席のダナ・ルナーク氏

正:在日ラトビア大使館次席のダナ・ルダーカ氏

・訂正箇所:第2段落5文目
誤:リガ旧市街では「ネイブルース」や「バーグス」など・・・

正:リガ旧市街では「ネイブルグス」や「ホテル・ベルグス」など

・訂正箇所:最終段落3文目
誤:5万本の十字架が立つ丘のあるシャウレ・・・

正:5万本の十字架が立つ丘のあるシャウレイ・・・

お詫びするとともに訂正いたします。