エボラブルアジア、早期に取扱高1000億円へ、訪日も強化
エボラブルアジア代表取締役社長の吉村英毅氏はこのほど本誌のインタビューに応え、「2020年の東京五輪を見据え、近い将来に取扱高で約1000億円をめざす」と意欲を示した。同社は現在、オンライン旅行事業、訪日旅行事業、アジアでIT開発をおこなうITオフショア開発事業の3事業を中心に展開中。1000億円達成時点ではオンライン旅行が全取扱高の80%、訪日旅行が15%、ITオフショア開発が5%となる見込みだ。
エボラブルアジアは今年3月31日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。15年9月期の取扱高は前年比34.6%増の206億4000万円で、16年第2四半期は44%増の118億円だった。
主軸のオンライン旅行事業の年間取扱高は約200億円。国内航空券予約サイト「空旅.com」「e航空券.com」「エアーズゲート」などを通じて航空券販売をおこなっているほか、海外航空券やホテルなども自社運営のウェブサイトで販売している。このほか、旅行会社や企業などに、11年から出張予約システム「旅Pro-BTM」の提供を開始している。
吉村氏は「販売サイトでは業界最大手」と自負する国内航空券市場については、「1.5兆円規模の市場であり、LCCなど航空会社が増加し、エンドユーザーによる横断検索が増加している」と述べ、今後の利用者増に期待を示すとともに、引き続き国内線航空券の取り扱い拡大に注力する考えを説明。その上で「今まではBtoB、BtoBtoCがメインで、消費者の認知度がそれほど高くなかった」と振り返り、今後は消費者に対しても、自社ブランドの認知度向上に向けた取り組みを進める考えを述べた。
加えて、訪日外国人旅行者の急増を踏まえ、訪日旅行事業も強化する。すでに国内航空券予約の3サイトと総合旅行予約サイト「TRIP STAR」を多言語化しており、国内航空券予約サイトについては日本語に加えて英語、中国語簡体字・繁体字、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、韓国語に対応する。また、直販に加えて、コンテンツ検索や予約エンジンをOEM形式で他社に提供する事業についても展開を強化する。訪日旅行分野では約40社と契約しているという。
さらに、このほどエムスリーグループのグループ会社でゲノム医療の情報提供などをおこなうG-TAC社と連携。訪日外国人に医療サービスを提供するサービスを開始した。
そのほか民泊ビジネスについては、すでに民泊サービスの仲介事業者に対して、国内航空券やJR券、高速バス券などの予約サービスのOEM提供を開始。同社の民泊予約サイト「TRIPSTAR民泊」では、国家戦略特区である東京都大田区の民泊物件の予約受付も開始した。