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夏の海外旅行者数は7.4%増、円高や燃油廃止で-JTB予想

  • 2016年7月3日

 ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した旅行動向調査によると、夏休み期間(7月15日~8月31日)の業務渡航を含む海外旅行者数の予想は、前年比7.4%増の260万人となった。JTBでは、2015年後半から円高に転じていることや、16年4月から航空各社が燃油サーチャージの徴収を廃止していることなどから、海外旅行に行きやすい環境が整いつつあるとの見方を示している。

 同調査は6月2日から14日まで、全国の15歳から79歳までの男女を対象に実施した旅行動向アンケートと、JTBグループ各社の販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもの。今年で48回目となる。

 方面別の旅行者数の推計は、中国が12.1%増の31万4000人で最も多かった。また、韓国も29.4%増の28万2000人と大幅に増加しており、JTBでは両国ともに復調傾向にあるとの見方を示している。テロ事件が続く欧州についてはスペインやポルトガルが好調で、全体では1.0%増の41万2000人を予想。ただし調査後の6月28日にはイスタンブールの国際空港で新たな爆弾テロが発生したことなどから、数値に影響を与える可能性がある。

 ツアーの予約状況を見ると、出発日のピークは欧州などの長距離方面が8月13日の土曜日、ハワイや東南アジアなどの中距離方面が8月10日の水曜日となる見通し。韓国や台湾などの近距離方面は8月14日の日曜日を予想する。燃油サーチャージを含む1人あたりの旅行費用は、燃油サーチャージの廃止もあり14.0%減の21万6300円を予想する。

 なお、旅行動向アンケートでは「今後の旅行支出に対する意向の変化」について質問。割合が多い順に、「単価も回数も同程度」が0.9ポイント増の35.3%、「支出を減らしたい」が0.4ポイント減27.1%、で唯一増加した以外は、「支出を増やしたい」が1.2ポイント減の14.8%、「単価を減らし回数を増やす」が前年並みの12.3%、「単価を増やし回数を減らす」が0.3ポイント減の5.6%となり、特に大きな変動はなかった。

 「今年の夏の収入や支出について」では、「生活はこれ以上切り詰められないので、欲しいものを控える」が33.6%と最も多かった。以下は「生活を切り詰め、欲しいものは購入したい」が18.3%、「今夏は物価上昇で生活が圧迫されそう」が15.0%と続くなど、海外旅行者数の増加が見込まれる一方で、消費に対する慎重さが伺われる結果となった。

 このほか「旅行に行かない理由」としては、「休暇が取れない」が29.8%で1位に。次いで「特に旅行したいとは思わない」が24.3%、「混雑する時期に旅行したくない」が20.9%となった。