郡山・熱海荘の旧運営会社が破産開始、負債4億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、福島県郡山市の磐梯熱海温泉で温泉旅館「熱海荘」を経営していたABC商事(旧社名:熱海荘)は6月1日、福島地裁郡山支部から破産開始決定を受けた。負債総額は約4億円。
同社は1945年12月に同旅館を創業。96年には金融機関から約3億5000万円を調達して大規模なリニューアルを実施し、ピーク時の売上高は年間約1億5000万円を計上していた。
しかし、設備投資による資金負担などから赤字が続き、その後も個人消費の低迷や同業者との競合などから、2010年1月期の売上高は約7400万円にまで減少。大幅な債務超過に陥り、金融機関に対して返済条件の緩和などを要請してきたが、根本的な改善にはならなかった。10年9月には福島県信用保証協会が代位弁済をおこない、11年3月には金融債務の一部が債権回収会社に譲渡された。
その後も14年3月から会員制システムを取り入れるなど営業面の強化をめざしたものの、15年6月には別法人へ旅館の不動産と事業を譲渡。16年1月に現在の商号に変更し、今回の措置となった。「熱海荘」は名称を変えずに別法人が営業を継続している。