フィリピン、15年日本人は7%増、16年は「女子旅」テーマに
フィリピン政府観光局は2016年の日本におけるターゲットを30代や40代を中心とした女性に定め、「女性に優しいフィリピン!」をテーマに、1000万円の予算を投入して旅行会社とともに女子旅をプロモートする。毎年開催している「フィリピンビジネスミッション」は、今年は6月7日から9日まで、東京・名古屋・大阪で開催。フィリピンから来日した51団体75名の現地観光関係者とともに、商談やセミナーを通して女性向け素材やテーマをアピールしていく。
このほどビジネスミッションで来日したフィリピン観光推進局社長のドミンゴ・ラモン・C・エネリオ3世氏によると、15年にフィリピンを訪れた外国人観光客は過去最高の約530万人で、初めて500万人を突破。今年1月から3月までの累計も前年比16%増と好調に推移しており、この好況が続けば、16年は600万人に到達する勢いという。
こうしたなか、日本は全外国人客の約10%を占める重要市場の1つで、昨年は過去最高となる約50万人が訪れた。エネリオ3世氏は「さらなる日本人客と消費額の増加をめざしたい。観光はフィリピンにとって雇用を生み出す重要な産業だ」と語った。
フィリピンを訪れる日本人客の主な層はビジネス、留学、ロングステイなど。今年3月にジェットスター・ジャパン(GK)がマニラ/成田、中部、関空線を就航するなどLCCの就航が後押しし、訪比客はここ数年増加を続けている。フィリピン政府観光局ではさらなる消費額の増加、新規客層の開拓に向け、16年はターゲットを30代や40代を中心とした女性に定め、旅行会社とともにプロモーションを展開。セブ、ボホール、ボラカイ、マニラの4都市を主要地域と定め、リゾート、ホテル、ショッピング、スパ、文化体験などを素材として、需要喚起をはかっていく。
同観光局東日本代表のグウエンドリン・S・バートン氏によると、このプロジェクトに対してフィリピン政府は約1000万円の予算を投入する。観光局は旅行会社の商品造成をサポートする一方で、ウェブサイトやソーシャルメディアなどを通じて女性向けの観光をピーアール。旅行会社の販売サイトと直接リンクを結び、販売促進をバックアップしていく考えだ。このプロモーションを通して同観光局は、16年の日本人客数について「少なくとも前年比6%増をめざしたい」(バートン氏)としている。