JR四国が今年度商品アピール(1) 観光列車が好調けん引

 JR四国(泉雅文社長)は5月17日、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で商品説明会を開いた。

 四国各地の魅力や着地型観光、来春開催の四国デスティネーションキャンペーン(四国DC)への取り組みなどを紹介した。また徳島県・飯泉嘉門知事、高知県・尾﨑正直知事、松山市・野志克仁市長がトップセールスに訪れたほか、香川県の浜田恵造知事はビデオレターでPRした。

 JR四国は昨年度、鉄道運輸収入が対前年4%増だった。松山-伊予大洲・八幡浜間を走る「伊予灘ものがたり」の年間平均乗車率が9割だったほか、絶景!土讃線秘境トロッコやアンパンマントロッコの乗車率も伸び、観光列車が全体をけん引した格好で推移した。

 商品説明会では、今年度デビューする車両や人気観光列車の運行計画を発表。3月26日のダイヤ改正でデビューしたのは、岡山-松山間を結ぶ特急「しおかぜ」の新型8600系電車と、8000系のアンパンマン電車。7月には予土線3兄弟の海洋堂ホビートレインが河童をテーマにした「かっぱうようよ号」として登場する。絶景!土讃線秘境トロッコは9月17日-11月末の土祝休日を中心に運行。伊予灘ものがたりを含めて昨年に引き続き、運転予定がない平日などは団体貸切にも対応する。

 来春いよいよ開催される四国DC関連では、土讃線・多度津-琴平-大歩危間に新観光列車「四国まんなか千年ものがたり」がデビューする。運行は4月1日からで、3両編成の外観は1両ごとに四季を表した色でデザイン。車内では食事の提供やアテンダントによるおもてなしなどが計画されている。土讃線のトロッコ列車は今季で運転を終了し、DC期間中は土佐くろしお鉄道ごめんなはり線を走る予定。JR四国のイメージキャラクター「すまいるえきちゃん」はDC期間中、おもてなしのシンボルとして活躍する。

 半井真司鉄道事業本部長は「今、四国は非常に面白くなっています。(各県で行われる)イベントと連携を組みながら観光列車のリニューアルやタイアップを行い、商品造成していきます」とアピールした。

 来賓のJR西日本の室博営業本部副本部長はあいさつで「岡山DCでは、直島(香川県)の写真が使われました。瀬戸内海でつながっている四国と連携して一緒にやっていこうという懸け橋になりました」と話し、現在岡山-宇野間を走る観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」を7月から岡山-高松間でも運行することを明らかにした。

 (16/06/03)


情報提供:トラベルニュース社