JATA、地方発第3国チャーターに期待、個札緩和で
日本旅行業協会(JATA)海外旅行推進部副部長の吉田利直氏はこのほど本誌の取材に応え、国土交通省航空局が4月14日付けで地方発着の包括旅行チャーター(ITC)の個札販売要件を緩和したことについて「地方チャーターは需要が少ないので確実に座席が売れないと辛い。要件の緩和で多様な売り方ができるようになった」と喜びを示した。JATAは会員各社に通達を周知するとともに、今後は各地でセミナーを開催する予定。今年の1月から3月には鹿児島、高松、青森、釧路などで実施し好評だったという。
国交省は今回の改正で、成田、羽田、関空以外の地方空港に発着するITCの個札販売要件を緩和。今までは空港には関係なく、対象便を運航する航空会社が出発地または到着地の国・地域(当事国)の会社の場合と、第3国の会社の場合でそれぞれ違う条件を設定していた。当事国の航空会社の場合は、その区間が航空自由化の対象で、個札販売などの制約が相手国との間で平等であること(相互主義)の2つの条件を満たせば航空座席を無制限に、2つのうち1つの条件を満たした場合は50%未満の範囲で個札販売が可能だった。
第3国の航空会社の場合は、その国との間で航空自由化が実現しており、その国の以遠権の範囲内であること、その国との定期便数の範囲内であることの3点が条件で、すべてを満たせば50%未満の範囲で個札販売を可能とし、それ以外は不可としていた。
改正後は地方空港について、条件を相互主義の観点から問題があるかないかのみに限定。当事国の航空会社の場合は、問題がなければ無制限か、あっても50%未満が販売可能になった。第3国の航空会社の場合は、問題がなければ50%未満を販売でき、問題がある場合は個札販売を認めない。
ただし国土交通省航空局航空事業課によれば、旅行会社が用機者となるITCの場合、あくまでも「包括旅行チャーター」という枠組みのなかで認可するため、1席以上をパッケージツアーで販売する必要がある。そのため、要件を満たしても全席を個札販売することは、実際にはできないという。
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