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HIS、2Qは原油下落などで減収、HTBの風評被害に懸念

平林氏  エイチ・アイ・エス(HIS)の2016年10月期第2四半期(15年11月1日~16年4月30日)の連結業績で、売上高(総額)は前年比1.8%減の2559億7400万円、営業利益は14.9%減の85億3300万円、経常利益は60.1%減の44億9300万円、四半期純利益は98.1%減の9900万円となった。純利益は連結子会社のTEN BOSCH CRUISE PANAMA社のクルーズ船が現在は運航を中止しているため、特別損失として35億800万円を計上したため、大幅に減少した。

 旅行事業は売上高が2.7%減の2258億800万円、営業利益が11.4%減の47億6600万円とともに減少。5月27日の記者会見で、HIS代表取締役社長の平林朗氏は減収の理由として、原油額の下落により、燃油サーチャージ額が前期の207億円から82億円まで減少したことを挙げた。ただし、同氏は「燃油が下がるのは旅行業界にとって良いこと」と強調。「取扱人数ベースでは、前年から大きな変動はない」と話した。

 日本発海外旅行では、フランスのヴェルサイユ宮殿とルーブル美術館の貸切鑑賞プランや、オーストラリアの島を貸切する企画など、高付加価値商品を拡充。また、新たな旅行先としてキューバのプロモーションを実施したほか、フランス観光開発機構や各航空会社と共同で「パリ応援キャンペーン」などをおこない、需要喚起に努めた。

 国内旅行については、重点地域の沖縄について、オプショナルツアーを拡充するなど商品展開を強化したことなどから順調に推移。アクティビティ予約サイトの運営会社「アクティビティジャパン」を今春にグループ化し、体験型プランの拡充もはかった。

 訪日旅行では、旧正月などによる中国や東南アジアからの需要が増加。さらに、欧米を中心にFIT向けのパッケージツアーも増加傾向にあったことから、日帰りツアーや旅行素材の販売強化、ウェブサイトのリニューアルなど、個人旅行者への対応をおこなった。

 海外事業では、東南アジアで旅行の大型商談会などに積極的に出展したほか、インドネシアなどに新規店舗を開設するなど、多店舗展開に努めた。日本の旅行会社としては初となるリオデジャネイロやハバナにもツアーデスクを開設。4月末時点で、HISグループの営業拠点は国内298ヶ所、海外64ヶ国217ヶ所に拡大したという。

 ハウステンボスグループについては、昨年9月のシルバーウィークに旅行需要が偏ったことや、昨年実施した大阪城での3Dプロジェクションマッピングを今期はおこなわなかったことにより、売上高が1.8%減の162億7700万円、営業利益は14.0%減の44億6100万円に。ハウステンボスの入場者数は、「花の王国」「光の王国」「音楽とショーの王国」「ゲームの王国」「健康と美の王国」をテーマとしたイベントの開催などで、2.3%減の156万人と前年と同水準を維持した。

 このほか、ホテル事業は利用者の満足度や収益性の向上をはかったことで、売上高が11.5%増の36億2700万円、営業利益は36.0%増の4億6800万円と増加。運輸事業はアジア・アトランティック・エアウェイズ(AAA)がマカオ/パラオ間やバンコク/新千歳間などでチャーター便を運航したことで、売上高は13.6%増の14億7500万円に。営業損失は前年の5億500万円から4億5100万円に改善した。九州産交グループは、売上高は10.3%減の109億8700万円、営業利益は46.8%減の3億8200万円だった。

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