エクスペディアCEO、「日本重視」を強調-セミナー開催

  • 2016年5月26日

ダラ・コスロシャヒ氏  エクスペディアは5月25日、宿泊施設やメディアなどを対象に「パートナーセミナー」を開催した。セミナーで登壇したCEOのダラ・コスロシャヒ氏は、「本日は当社から世界中のシニアディレクターが来日している」と語り、「我々がアジア太平洋地域、特に日本を重要視している証」と強調した。

マイケル・ダイクス氏  エクスペディア・ロッジング・パートナー・サービス(LPS)日本・ミクロネシア地区統括本部長のマイケル・ダイクス氏は、政府が訪日外国人旅行者数の目標を2000万人から4000万人に引き上げたことについて触れ、「(目標達成のためには)宿泊施設とOTAが担う役割は非常に大きい」と語った。エクスペディアでは、引き続き日本の宿泊施設との関係性を強化し、日本市場での取り組みを強めていく。

 同社によると、エクスペディアやHotels.comなど、エクスペディアグループ全体の2015年の売上は約8000億円。また、同グループが運営する全サイトの合計の訪問者数は約54億人、航空券の検索数は約86億件、宿泊予約件数は約2億310万件に上るという。コスロシャヒ氏は「質の高い顧客を獲得するため、投資に力を入れている」と語り、15年は技術開発に1000億円、マーケティングに4100億円を費やしたことを説明。今後も投資を継続的におこない、サービスの向上に努めていくとした。

シリル・ランケ氏  また、LPS社長のシリル・ランケ氏は、昨年7月にコンピュータ製品などを手がけるIBMが7ナノメートルの半導体チップを開発するなど、技術の発展が著しいことを紹介。「技術の進化により人間の生活も進化する。これは我々にとってもビジネスチャンスになる」と話し、「(チャンスを掴むためには)お客さまのニーズを理解することが大事」とコメントした。

 このほかセミナーでは、経営コンサルティング事業などを展開するTSUNAGU・パートナーズの相澤利彦氏が「顧客対応力の進化とテクノロジー~他業界事例から紐解く旅行業界への示唆~」をテーマに講演を実施。同氏は、テレビショッピングの利用者を世代別で見ると、60代が32%と最も高く、次いで50代が28%、70代が18%、40代が17%、30代以下が5%であることを説明。一方で、携帯電話やスマートフォンの接触時間は、10代の女性が168.3時間と最も高いことから、「次世代の顧客を確保するためには、スマホ対応とEC化が重要」と語った。