JNTOと国際交流基金が協定締結、訪日旅行や文化交流を促進

  • 2016年5月22日

(左から)JFの安藤氏とJNTOの松山氏  日本政府観光局(JNTO)と国際交流基金(JF)は5月20日、「国際文化交流及び訪日旅行の促進に向けた相互連携に関する協定」を締結した。JNTOとJFはこれまでにも海外事務所の共有化などで連携してきたが、正式な協定を締結するのは今回が初めて。今後も両社の強みを活かして各事業の効果的な推進をはかり、訪日旅行と国際文化交流の拡大をめざす。

 同日に開催した記者会見でJNTO理事長の松山良一氏は、訪日外国人旅行者数が引き続き好調に推移していることを説明し、「訪日旅行は新しいステージに入った」と強調。JFとの連携協定を通じて「外国人旅行者誘致の取り組みを進化させる。まずは16年度の具体的な計画を着実に実施し、フォローアップをおこなう」と意欲を示した。JF理事長の安藤裕康氏は「これまでもJNTOと共同で取り組みをおこなってきたが、さらに有機的な連携をめざす」と述べた。

 2016年度は、JFの国際文化交流事業とあわせたJNTOによる訪日旅行促進事業を実施。9月にロンドンで初めて開催される国際デザイン展「ロンドン・デザイン・ビエンナーレ」にJFが参加し、JNTOは開催にあわせて現地の情報誌などを通じて、日本のアートやデザインを巡る訪日旅行を紹介する。また、同じく9月に開催される「ロンドン・ジャパン祭り」では、JNTOがブースを出展し、JFも公演を予定。そのほか、JFが世界各地で開催する日本映画上映会などにあわせて、JNTOが訪日プロモーション動画を放映する。

 加えて、JFの日本語教育普及事業とJNTOの訪日教育旅行促進事業で連携。JFが支援する、バリ島で9月に開催される日本語教育国際研究大会で、JNTOがブースを出展する。ブースでは現地の教師などに訪日教育旅行の魅力を紹介するほか、JNTO本部が今年4月に設置した、訪日教育旅行の一元的相談窓口の周知をはかる。

 20年の東京オリンピックに関するプロモーションとしては、今年8月のリオデジャネイロオリンピックの開催直前に、JFはリオデジャネイロで前衛美術展や名作映画の上映会、「日伯ポップスコンサート」などを開催。JNTOはリオ五輪開催期間中に現地に設置される「TOKYO2020 JAPAN HOUSE」で、観光庁との共同ブースを出展するほか、海外メディアが閲覧し、画像などをダウンロードできる訪日旅行のライブラリーサイトを公開する。