世界初の国際LCCアライアンス発足、バニラなど8社加盟

  • 2016年5月16日

「バリューアライアンス」のロゴ  バニラエア(JW)などアジア太平洋地域のLCC8社は5月16日、世界初の国際的なLCCアライアンスとなる「バリューアライアンス」を設立した。LCCによるアライアンスは、今年1月に発足した海南航空グループの「U-fly」に続き2つ目。

 今回加盟したのはJWとセブパシフィック航空(5J)、チェジュ航空(7C)、ノックエア(DD)、ノックスクート(XW)、スクート(TZ)、タイガーエアウェイズ(TR)、タイガーエアウェイズ・オーストラリア(TT)。JW広報によると、LCC市場が急成長しているアジア太平洋地域においてアライアンスを設立することで、利用者のさらなる利便性の向上をはかるという。加盟会社については今後も増やして、ネットワークを拡充する考え。

 同アライアンスは、航空会社向けのソフトウェア開発をおこなう英国のエア・ブラック・ボックス社(ABB)のシステムを導入。加盟会社のウェブサイトから、日本時間の16日18時にオープンした同アライアンスの専用サイトに移動し、出発地と目的地を指定することで、これまでは各社のウェブサイトにおいて必要だった予約と決済をワンストップでおこなえるようにした。

 専用サイトでは予約と決済のほか、座席指定や追加手荷物、機内食などの付帯サービスも同時に購入することが可能。オープン時には一部の加盟会社のみサービスの提供を開始しており、今秋には8社すべてが開始する予定という。ABBのシステムは、国際航空運送協会(IATA)が航空会社と旅行会社の連携強化を目的に立ち上げたプログラム「NDC(New Distribution Capability)」に公認される予定。

 なお、バリューアライアンスの加盟会社間ではコードシェア便の運航や、乗り継ぎを考慮したダイヤ調整などはおこなわない方針。JW広報によると、同アライアンスは「フルサービスキャリアのような規則を設けたアライアンスではなく、利便性の向上を最大の目的としている」という。

 今回のアライアンス設立に際してJW社長の五島勝也氏は「当社が運航していない日本とその他のアジア太平洋地域間のルートであっても、『ワンストップショッピング』が可能になり、利便性が大きく向上する」とアピール。TZのCEOのキャンベル・ウィルソン氏は「各社が協力することで、最も競争力のある運賃で幅広い選択肢を提供することが可能になる」とコメントしている。

※訂正案内(編集部 2016年5月17日15時35分)
訂正箇所:最終段落
JW社長の五島勝也氏のお名前を誤って表記しておりました。お詫びするとともに訂正致します。