エイチ・アイ・エス（HIS）は5月11日、海外に向かう飛行機の機内で、旅行者の隣の座席に写真誌「東大美女図鑑」のモデルの現役大学生が座るキャンペーンを開始したが、同日中に中止した。インターネット上などでの「セクハラでは」との批判を受けたもので、同社は「皆様にご不快な思いを感じさせる企画内容でありましたことを、深くお詫び申し上げます」とコメントを発表している。「東大美女図鑑」は同大学の学生が制作しているもので、HISによれば企画は広告代理店から持ち込まれたという。

　同キャンペーンは「海外旅行を今まで以上に面白くするために、旅のスタイルに変化を加えるプロジェクト」として開始した「旅ナカワクワク」シリーズの第1弾で、現地到着までの時間を有意義なものにすることがねらい。7月と8月に出発する海外旅行商品を購入し、6月9日までに応募した利用者のなかから抽選で5組にそれぞれ女子学生1人が同行して、往路の機内で旅行先の解説をすることなどを謳っていた。親子の利用者向けには、夏休みの宿題を手伝うことを予定していた。

　本誌の取材に応えた同社の広報担当は「機内の新しい過ごし方を提案したかったが、主旨をうまく伝えられなかった」とコメント。同キャンペーンの第2弾をおこなうか否かについては未定だが、今後も旅行中の時間を有効活用するための試みは継続するという。