TCEBディレクターのヌッチ・ホムロスクン氏 　タイ国政府コンベンション＆エキシビションビューロー（TCEB）はこのほど、都内でMICEセミナーを開催した。TCEBディレクターのヌッチ・ホムロスクン氏は、タイに自動車会社や金融会社などの多くの日本企業が進出し、現地法人を設立していることから「日本市場はMICEの重要な市場」と強調。2015年にタイをMICE目的で訪問した日本人は前年比36％増に上り、16年は10％増をめざすことを説明した。同氏によると、日本ではMICEのうちミーティングとインセンティブが多く、15年に2分野でタイを訪れた日本人は81％増と大きく伸長。全市場のランキングでは上位10ヶ国以内に入っていることから、今後も2つのセグメントの取り込みに注力していく考えだ。

　TCEBではMICEの取扱強化をはかるため、旅行会社や企業に対するプログラムを2種類用意し、昨年から提供しているところ。「タイランド コネクト ビヨンド ザ キャピタル」プログラムでは、MICEでTCEBのパートナー航空会社のタイ国内線を利用して3泊以上タイに滞在した100名以上の団体に対し、参加者1名ごとに1000タイバーツの支援金を提供する。1団当たりの上限は合計30万タイバーツまで。ホムロスクン氏によれば、日本人は30名程度の小規模団体や80名から120名くらいの中規模団体が多いことから、同プログラムを積極的にピーアールしていく方針だ。

　また、タイ国内で大規模なミーティング、インセンティブイベントを実施する団体を対象にした「タイランド ビッグ サンクス！」では、2000名以上の団体に対し、最大で200万タイバーツを支援する。ともに申込期間は9月30日まで、旅行期間は12月30日まで。

TCEBアクティング・シニア・マネージャーのクリット・プロンフレシッド氏 　このほか、TCEBでは入国時の出迎えや最大15名に提供する入国時の優先レーン、伝統舞踊鑑賞などのアクティビティを提供するサービスを実施しており、引き続き継続していく。なお、プログラムやサービスの利用については、事前に申請する必要がある。助成金申請はイベントの2ヶ月前まで、助成金以外の支援は1ヶ月前まで受け付ける。

　また、セミナーではTCEBアクティング・シニア・マネージャーのクリット・プロンフレシッド氏がタイでのMICE用の新素材を説明。16年6月には、ショッピングとエンターテイメントの複合施設「Show DC」が開業したことを紹介し、5000名が収容可能な劇場や5000平方メートルのスポーツホール、4D体験施設などのアトラクションを報奨旅行向けに活用することを促した。