ベトナム航空、16年は女性や家族に注力、カンボジア強化
ベトナム航空(VN)は2016年、5つのテーマでプロモーションを展開する。20歳から49歳までのF1およびF2層、家族旅行、教育旅行への取り組みを強化するとともに、「新デスティネ―ション開発プロジェクト」としてカンボジアへの旅行需要を喚起。そのほか今年から日本路線に導入した、ボーイングB787型機の利用促進にも取り組む。VN内でテーマごとに専任の担当者を据え、旅行会社にアプローチをおこなっていく。
3月25日に開催した旅行会社向けセミナーで、東日本地区旅客営業部次長の森田順悟氏はF1およびF2層、家族旅行、教育旅行に取り組む理由として、2020年の市場環境を見据えたことを説明。これまでターゲットとして注力してきたシニア層が人口の25%程度まで減少し、高齢化により海外旅行への需要が減退する一方、F1、F2、ファミリー層、学生などを含む49歳以下については全体の53.4%を占める大きな市場となるため、今年から強化していく考えを示した。
F1、F2層に対しては、物価の安さや、スパやエステ、ショッピング、世界遺産の魅力などを訴求。「ベトナム女性旅のすすめ」として、ベトナムでの1日の楽しみ方を紹介するリーフレットを新たに作成する。さらに女性限定のイベントも計画しており、5月下旬には働く女性をターゲットにした情報誌「City Living」と「ベトナム女子会」を開催する予定だ。
また、ベトナムのリピーターリピーター率は全体の27%と低いことから、家族旅行や教育旅行により若年層の渡航を促し、リピーター化につなげていく。家族旅行に向けては、直行便で約5時間の近さや治安の良さ、ベトナム人のフレンドリーさなどをアピール。販促用のリーフレットをゴールデンウィーク以降を目途に作成するという。このほか教育旅行については、歴史、自然、平和などのテーマを訴求した。
16年の強化デスティネーションと位置づけるカンボジアについては、カンボジア王国政府観光局と、VNとカンボジア政府の合弁会社であるカンボジア・アンコール航空(K6)の協力のもとプロモーションを実施する。VNによれば、カンボジアへの日本人観光客のほとんどはアンコール・ワットを訪問する旅行者でリピーターが少ないため、今後は旅行会社に対してシェムリアップ郊外にあるプレアヴィヒア遺跡をはじめとしたアンコール・ワット以外の観光素材をアピールするほか、シアヌークビルなどのリゾート地、トレッキング、廃墟めぐり、平和学習などのテーマを訴求して商品の多様化をはかる。
アンコール・ワットへのアクセスについては、現在はVNがダナン/シェムリアップ線を週4便で運航しているが、今年7月にはK6がVNを補う形で同路線を週3便で開設。2社でデイリー運航を開始する。4月と10月には旅行会社や報道関係者向けにファムツアーをおこなう予定だ。
このほか、セミナーではVN日本地区総支配人のグェン・クァン・チュン氏が、今年の1月1日から成田/ハノイ線、2月1日から成田/ホーチミン線にB787-9型機を導入したことを紹介。「現在は日本から10路線を最大週66便運航しており、この座席を埋めるためには旅行会社の皆様の協力が必要」と語り、参加者に販売への協力を求めた。