安倍首相、東北の外国人宿泊数「3倍に」、海外から旅行会社招聘
内閣総理大臣の安倍晋三氏は、3月10日に開催した記者会見で今後の東北復興について語り、東北6県の年間外国人宿泊者数を、現在の約50万人泊から2020年までに3倍の150万人泊に押し上げる考えを示した。あわせて東北へのツアー商品の造成増に向け、今後の5年間で海外の旅行会社から約2000人を東北に招聘する、大規模な「東北プロモーション・キャンペーン」も実施することを発表した。
安倍氏は、東北6県の外国人宿泊者数が昨年にようやく震災前の水準に回復したことを説明した上で「今年を『東北観光復興元年』にする」と宣言。今後5年間については「復興・創生期間」と位置づけ、19年のラグビーワールドカップや20年の東京オリンピック大会を起爆剤として、観光による復興に努めたいとした。
訪日外国人旅行者に対しては「東北の各都市を巡るだけではなく、周辺にある故郷の良さを実感してもらいたい」と述べ、地域の路線バスや鉄道で利用できるフリーパスなどを企画する考えについても公表。そのほか交通インフラについては、昨年に全線で開通した常磐自動車道の一部区間を、交通量の増加を受けて5年以内に四車線化することや、全線開通の時期が定められていなかったJR常磐線を19年度中に開通させる方針を示した。