チェコ、新日本支局長にツィールコヴァー氏、旅行会社と関係強化

  • 2016年3月10日

新日本支局長のマルチナ・ツィールコヴァー氏  チェコ政府観光局は4月1日付で、新たな日本支局長として、現在は本局でインターナショナル・マーケティング・マネージャーを務めるマルチナ・ツィールコヴァー氏を任命した。現局長の吉田清宣氏は3月末をもって退任する。このほどチェコ共和国大使館で旅行業界関係者向けに開催したレセプションで発表した。

 ツィールコヴァー氏は本誌の取材に応え、「日本市場では旅行会社のパートナーを増やし、BtoB事業を強化していきたい」と意欲を示した。今後は現地のホテルなどを招いたセミナーなどを積極的に開催していく考えだ。また、同氏はこれまで本局で担当してきた、アジアや南米などでのマーケティング経験を活かしながら、ソーシャルメディアなどを活用したオンラインでのプロモーションに注力していくという。

 さらに、ハンガリー、スロヴァキア、ポーランドとのヴィシェグラード4ヶ国(V4)として、協力しながらプロモーションを続けていく。このほど成田/ワルシャワ線を開設したLOTポーランド航空(LO)とも「機会があれば共同キャンペーンを実施したい」という。

(左から)チェコ大使のドゥブ氏、チェコ観光局新日本支局長のツィールコヴァー氏、マネージング・ディレクターのパラトコヴァー氏、本局海外支局担当役員のヤン・セルゲット氏、前局長の沖中繁男氏、現局長の吉田氏  レセプションでは、チェコ共和国大使館駐日特命全権大使のトマーシュ・ドゥプ氏が登壇。11月のパリでの同時多発テロ事件の発生以降、欧州への日本人旅行者数が減少していることに言及した上で「チェコで何も変わらない生活が続いている」と語った。来日したチェコ政府観光局本局マネージング・ディレクターのモニカ・パラトコヴァー氏も「チェコは安全な場所であると強調したい」と話した。

 また、パラトコヴァー氏は日本市場について「訪問者数が毎年大きく増えているわけではないが、2015年には約12万3000人が訪問しており、我々にとって重要なポジションにある市場」と説明。今後は50歳以上のシニア層に向けて、音楽やガラス製品、建築などをアピールするほか、若者層の取り込みもはかりたいとした。

 日本旅行業協会(JATA)理事長の中村達朗氏は、チェコへの日本人訪問者数のピークが12年の14万2000人だったことを説明した上で「その後は振るわない状況が続いているが、個人的にはまだ伸びしろはあるのではと思う」とコメント。そのほか、JATAのTeam EUROPE 観光促進協議会(チーム・ヨーロッパ)が選定した「美しい村30選」では、同国からマリアンスケー・ラーズイニエ村が選ばれ、2016年上期のツアーから商品化されたことを紹介した。