東武トップ、上期からブランド統合-海外はハワイ、国内は体験訴求
東武トップツアーズはこのほど、2016年度上期のパッケージツアー「Feel(フィール)」の海外商品と国内商品を発売した。同社は15年4月に東武トラベルとトップツアーの合併により誕生しており、16年上期から2社のパッケージツアーのブランドを統合。同社の経営理念「安全・安心と最上のサービスにより、期待を超える感動を創造する」を踏まえて、「感じる旅」というコンセプトのもと、基幹商品の「Feel」、高額商品の「Feel Premium」、価格訴求型商品の「Feel Simple」、SITに特化した「Feel Plus」を用意した。
海外旅行では期首商品として「Feel」で「ハワイ」「台湾」「韓国」「香港・マカオ」「タイ」「シンガポール・マレーシア」を設定。「Feel simple」では「グアム・サイパン」を発売しており、順次商品を増やす予定。
パンフレットでは、16年度(16年1月~12月)のテーマを「観たい!食べたい!感じたい!」とし、企画担当者のおすすめのポイントを「Feel Point」として紹介する。同社海外旅行部海外企画センター長の小奈園江氏によれば、16年度の販売目標人数は前年比29%増をめざす。なお、15年度は訪日旅行需要の増加で航空座席の確保が厳しかったことや、ウェブ販売の競争激化などにより、前年比35%減となった。
16年上期は厳しい仕入環境を踏まえ、早期受注を取り込むための割引施策を強化。旅行代金の割り引きや、客室の無料アップグレード、並び席などの手配をおこなう。例えばハワイでは「CIトクトク90」として、チャイナエアライン(CI)利用商品を出発90日前までに申し込んだ場合、旅行代金から3000円を割り引く。
方面別では、ハワイの販売に注力する。小奈氏によれば、今までハワイについてはフリープランのみを設定していたが、今年からは観光を組み込んだ商品も用意。さらに「巻頭おすすめコース」の「感じるハワイ6日間」では、6時間の自由行動中、1グループごとに現地の専属ガイド1名がついて、希望する観光地などを案内する。このほか需要の高い台湾や、需要回復が期待される韓国の販売も強化する。
なお、同社において海外旅行の募集型企画商品は、関東の35店舗を中心とする自社店舗や、ウェブサイトで販売。ホールセールもおこなうが、全体に占める割合は「あまり大きくない」という。
▽国内は取扱人数を7%増に、体験素材で旅先の魅力を訴求
一方、国内旅行は「Feel」で北海道から沖縄まで全16種類のパンフレットを用意。構成はより顧客目線に立ったものへと変更した。国内旅行部東日本国内企画センターセンター長の丸山裕司氏によると、今までは宿泊プランや、JR乗車券と宿泊のセットプランがメインだったが、今年はオプショナルツアーなどの体験素材を用意することで、デスティネーションの魅力をより強くアピールする方針だ。15年度の取扱人数は、合併後の4月から12月までに関しては前年並みとなったが、16年度は7%増をめざす。
「Feel Premium」では、宿泊施設に特化したパンフレット「栃木お宿自慢」と「露天風呂付き客室の宿」を用意し、企画担当者が厳選した宿泊施設を紹介。東武鉄道やJRなど交通手段を含むプランも用意した。例えば「栃木お宿自慢」では「日光金谷ホテル満喫プラン」を設定。同商品ではFeel Pointとして「歴史を感じる」と題し、金谷ホテル歴史館や旧英国大使館別荘、旧イタリア大使館別荘などの見学を提案した。
また、訪日需要の増加により東京や大阪、京都を中心に宿泊施設の仕入れ環境が厳しさを増していることから、部屋のアップグレードや旅行代金の割り引きなど、早期受注に向けた取り組みもおこなう。客室の仕入れについては宿泊施設との交渉を継続。また、今年の4月から東武トラベルとトップツアーの予約端末を統合することで、2社の在庫を共有し、効率的な在庫の販売をはかる。
国内旅行商品の販路は、関東のカウンター店舗を中心とした店舗が5割を占めており、ウェブ販売とホールセールがそれぞれ2割となっている。方面別では関東近郊への商品が多く、北陸や中部への商品と合わせて全体の8割を占める。残り2割は空路を利用した北海道、九州、沖縄への商品。今年は東武鉄道沿線の日光、鬼怒川、伊豆、箱根を強化するとともに、新幹線の開業で注目を集める北海道や北陸など、高い需要が見込める方面にも注力していく。