AAなど米系3社、羽田枠合意で歓迎コメント-DLは「非常に残念」
日米政府がこのほど東京で開催した航空当局間協議において、羽田空港の国際線発着枠2次増枠分について合意したことを受け、羽田に乗り入れている米系航空会社4社は現地時間の18日に、それぞれコメントを発表した。 アメリカン航空(AA)、ハワイアン航空(HA)、ユナイテッド航空(UA)の3社はそれぞれ歓迎の意を表明。一方、成田をアジア地域におけるハブ空港と位置づけ、整備用ハンガーも保有しているデルタ航空(DL)は「非常に残念」と述べ、反応は大きく分かれた。
AAは社長のスコット・カービー氏が「日米航空交渉合意を歓迎する」と題したコメントを発表。米国の運輸省と国務省、日本の国土交通省などに謝意を示すとともに、「昼間時間帯に羽田にフライトが発着できるようになることはとても重要で喜ばしい。米国と羽田を結ぶ魅力的な発着時間を提供できるようになる」と述べた。
あわせて、2月11日から運航を開始した羽田/ロサンゼルス線について「今回の合意により、今秋を目途に発着時間を昼間時間帯に変更したい」との考えを表明。同路線は現在、午前1時30分に羽田を出発し、午後11時に羽田に到着している。同氏は「より早い時間帯の発着が実現すれば、AAのロサンゼルスから先のネットワークや、共同事業パートナーである日本航空(JL)の羽田から先のネットワークを生かして、利便性が一層向上する」とアピールした。
HAは代表取締役社長兼CEOのマーク・ダンカリー氏が「今回の合意は、日本から米国各地への輸送量を増加させるだけでなく、米国人の雇用の創出、旅行者の利便性の向上、選択肢の増加をも意味する」と述べ、強く歓迎した。UAは「重要な市場の1つである東京から、我々のハブ空港のサンフランシスコへ、より利便性の高い時間帯でフライトを運航できることを楽しみにしている」と意欲を示した。
DLは執行副社長兼最高法務責任者のピーター・カーター氏が「合意は非常に残念。羽田では引き続き競争が制限され、厳しく規制された空港になる」と遺憾の意を表明。「当社の事業が影響を受けることは避けられない」との見方を示した。一方で「成田のハブ機能と現在のアジア路線をできるだけ長く存続させるよう、最善を尽くす」とも語り、「これから綿密な分析をおこない、その結果に基づき路線の調整をおこなう」と方針を示した。
DLは1月に発表した声明でも、羽田の昼間発着枠の合意については「成田の利用者を奪い取り、成田の国際空港としての機能を殺すことになる」と強く反論。「もしも交渉が成立すれば、成田/米国間の7路線すべてを運休する可能性がある」と牽制していた。 なお、今回の合意で日米の政府は、16年冬ダイヤからの運航開始をめざし、昼間時間帯に日米それぞれ1日5便ずつ、深夜早朝時間帯に1日1便ずつを配分。具体的な路線や運航会社については、各国での手続きを経て決定される。