KNT-CT、新中計で訪日など投資、18年度売上4510億円に
KNT-CTホールディングス(KNT-CT)は2月12日、2016年度(16年4月1日~17年3月31日)から18年度までの新たな中期経営計画を策定した。将来の事業基盤を構築するための成長領域として位置付ける「訪日旅行事業」「地域誘客交流事業」「スポーツ事業」の3つに積極的に投資して需要を開拓し営業利益の安定的な確保をめざす。18年度の目標は売上高4510億円、営業利益50億円、経常利益52億円、当期純利益30億円。なお、同社グループは16年度から決算期を12月31日から3月31日に変更する予定で、新中計の対象期間は16年4月1日から19年3月31日までとなる。
同社では、13年度から15年度までの中計においては、クラブツーリズムとの経営統合やコスト削減の推進などにより各利益指標で目標を達成したものの、売上高においては目標に届かなかったことから、次期の中計期間では売上高の拡大を重視する考え。12日に開催した発表会見で代表取締役社長の戸川和良氏は「これからの3年間は集中的な先行投資の時期でコストはかかる」と説明し、「売上高は伸ばすが、営業利益は少し落ちた感じで推移せざるを得ない」と見通しを示した。
KNT-CTの2015年12月期通期(2015年1月1日~12月31日)連結業績で、売上高は4249億3000万円、営業利益は63億9400万円、経常利益は66億6800万円、当期純利益は43億4000万円となった(関連記事)。16年度は売上高4318億円、営業利益40億円、経常利益42億円、当期純利益22億円を、17年度は売上高4410億円、営業利益45億円、経常利益47億円、当期純利益25億円を目標としており、各利益については堅実に伸ばしつつも、現在よりは低い水準にとどまる見通しだ。
「訪日旅行事業」については、グループの各会社の強みを活かして、利益の拡大に向けた体制づくりや戦略づくりに注力。特にアジア市場における事業を拡大する。個人旅行についてはFITの取り込みと、海外拠点を活用したマーケティングの効率化を推進。団体旅行については、海外での法人営業などを強化するほか、ランドオペレーター事業にも力を入れる。15年12月期は約140億円だった訪日旅行の売上高は、18年度には300億円、20年度は500億円をめざすという。
「地域誘客交流事業」では、着地型ビジネスの機能を持つ「地域誘客および交流ビジネス拠点」の設置に加えて、オリジナルイベントの継続や創出などに取り組む。また、自治体との連携強化をはかるとともに、自治体や関係機関などの20年の東京オリンピック関連事業の獲得にも注力する。
「スポーツ事業」については、東京オリンピック関連需要の取込拡大をはかるほか、スポーツを活用した海外旅行および訪日旅行の市場開発、地域や自治体によるスポーツ関連事業の取扱拡大に取り組む。そのほか、バリアフリー関連および障がい者関連の事業も拡大する。
なお、東京オリンピックが開催される20年度については、現時点での目標として、売上高4760億円、営業利益60億円、経常利益は62億円、当期純利益は39億円を掲げた。