ジャマイカ、親善大使にゴスペル歌手起用、「期待できる1年に」

  • 2016年2月1日

ジョン・ルーカスさん(左)とジャマイカ政府観光局日本代表の中山雅代氏  ジャマイカ政府観光局はこのほど、ジャマイカ人ゴスペル歌手のジョン・ルーカスさんを「ジャマイカ観光親善大使」に任命した。ルーカスさんは日本在住歴15年で、04年からゴスペル歌手として活動。13年には日本テレビの「のどじまんTHEワールド!」に出演して特別賞を受賞している。全国でゴスペルグループの指導をしており、生徒数は200超。今後、「ツーリズムEXPOジャパン2016」など各種イベントなどに参加し、ジャマイカ観光のプロモーションに協力する。

 このほど駐日ジャマイカ大使館で開催した任命式で、同観光局日本事務所日本代表の中山雅代氏は「現在は日本からジャマイカへのアクセスが良くないが、親善大使と二人三脚で取り組みたい」と挨拶した。日本からジャマイカへの年間旅行者数は、1996年には日系航空会社によるプロモーションなどによりハネムーナー需要が高まり、約2万3000人を記録。しかしその後は減少し、近年は2000人程度で推移している。ルーカスさんは「日本でジャマイカを代表する立場になり嬉しく思う。今年は期待できる1年にしたい」と述べ、日本のヒット曲である「翼をください」などを熱唱した。

 同観光局では、今年は旅行会社や報道機関を対象としたファムツアーの実施や、音楽やスポーツなどのSIT誘致に注力する。音楽については、ゴスペルグループの現地訪問ツアーの企画などでジャマイカ観光をアピール。日本のゴスペル人口は数十万人規模と言われており、主にグループで活動するゴスペル愛好者を取り込むことは、訪問者数の増加をはかる上で期待できるという。ルーカスさんも昨年末には、34人の生徒を連れてジャマイカを訪問し、現地でコンサートを開催した。一方で、ジャマイカ音楽を代表するレゲエのファンについては「航空券とホテルだけを準備したFIT」が多く、ツアーでの集客は見込みづらいという。

 スポーツについては、リオデジャネイロオリンピックでも陸上競技のウサイン・ボルト選手など有力選手の活躍が予想されることから、ジャマイカの知名度が向上することを期待。現地の陸上クラブへの訪問や、12月に開催される「レゲエ・マラソン」への参加などをフックにプロモーションを強化する。これらの強化策により、今年の訪問者数は2500人以上をめざす考え。昨年に隣国のキューバが米国との国交を回復して注目を集めていることで、ジャマイカを含む周遊ツアーが発売されていることなどにも期待を寄せる。