プリンスホテル、スターウッドと提携、海外での知名度向上はかる
プリンスホテルは1月21日、スターウッドホテル&リゾートワールドワイドと提携し、「グランドプリンスホテル赤坂」の跡地に建設中の「東京ガーデンテラス紀尾井町」が、スターウッドの展開するブランド「ラグジュアリーコレクション」に加盟することを発表した。ラグジュアリーコレクションはスターウッドが展開する11のブランドのなかの最高級ブランドで、東京のホテルが加盟するのはこれが初めて。日本では昨年3月に開業した京都の「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」に続き2軒目となる。開業は7月27日を予定する。
同日に開催した記者発表会でプリンスホテル専務執行役員の武井久昌氏は、今回の提携の目的として「訪日外国人需要の取り込み」と「海外におけるプリンスブランドの浸透」の2つを挙げた。あわせて「当社では『日本のおもてなしを世界に発信』と銘打ち、訪日外国人旅行者の誘客を重要戦略の1つとしている」と説明し、ラグジュアリーコレクションについては「最適な加盟先」との考えを示した。
スターウッドホテル&リゾートワールドワイドアジア太平洋地区開発担当上席副社長のラジット・スクマラン氏は、「プリンスホテルはその名を知られた日本のホテル企業であり、提携の実現は大変喜ばしい」と述べ、「東京初の加盟ホテル開業により、日本の観光市場をさらに拡大させることを約束する」と自信を見せた。また、日本においてはさらなる加盟ホテルの開業を検討しているとし、東京、大阪、京都などの大都市に加え、沖縄や箱根なども対象地として挙げた。
提携により、プリンスホテルではメインターゲットを欧米のビジネス客とアジア圏の富裕層に設定。全宿泊者のうち訪日外国人旅行者の占める割合については、17年度は60%を、18年度は70%を目標に掲げた。社員教育については、新たなホテルを「プリンスホテルが培ってきた『日本のホテル』としてのノウハウとサービススタンダードの集大成」と位置づけ、プリンスホテルの方針をもとに、スターウッドの国際性を加えていくという。
新たなホテルは複合施設「東京ガーデンテラス」のオフィス・ホテル棟の30階から36階にかけて入居し、総客室数は250室。施設内には日本料理やイタリア料理のレストラン、バーなど4つの料飲施設のほか、スパやフィットネスクラブを設ける。そのほか、旧グランドプリンスホテル赤坂の旧館「旧李王家東京邸」を復元した「赤坂プリンス クラシックハウス」を併設。クラシックハウスには3つのレストランやバー、着席で150人を収容できるバンケットルーム、12室の多目的ホールなどを用意する。宿泊の予約受付は2月1日から開始。価格は1泊1室あたり6万円から59万円までを予定しているという。