ミキ、トラベルロードと訪日会社設立、欧州メインに
ミキ・ツーリストの持株会社であるグループミキホールディングスは1月15日付で、第2種旅行業のトラベルロードなどを展開するトラベルロードホールディングスと、訪日事業の合弁会社「ミキ・トラベル」を設立する。新会社では欧州の旅行会社を主なターゲットに、訪日旅行向けの素材の仕入れや手配、情報配信などをおこなうBtoB事業を展開。団体旅行やMICEの取り込みをはかるとともに、増加傾向にあるFITにも取り組んでいく。
1月13日の会見で、グループミキホールディングス代表取締役社長の檀原徹典氏は、2016年は15年の同社の取り扱いの2倍にあたる売上高6億円、取扱人員4000名をめざす方針を示した。今後はミキ・ツーリストの海外拠点を活用し、同社で現地旅行会社に対するセールスを担当。新会社はトラベルロードの仕入れ力などを活用し、日本国内の手配や受け入れなどをおこなう。
新会社の代表取締役CEOにはトラベルロードホールディングス代表取締役の守家昌史氏が就任する。同氏によれば、トラベルロードでは国内旅行として、バスによるスキーツアーや伊豆諸島ツアー、富士登山ツアーなどを販売しているところ。今後は需要が高まる訪日バスツアーの強化をはかるなか、海外の販売ネットワークを強みとするミキ・ツーリストと協業することで、シナジーの創出をはかる。
ミキ・ツーリストは現在、欧州の拠点において欧州発の日本を含む海外旅行を扱っているところ。檀原氏は「日本に仕入れ拠点がないため、訪日旅行の営業を進める上で不利な点が多かった」と語り、国内の手配網を持つトラベルロードと協業することで、訪日事業を「日本人向けの海外旅行事業などとともに、1つの収益基盤にしていきたい」と意欲を示した。
欧州を主要ターゲットとした理由について檀原氏は、「アジアからの訪日外国人旅行者数は多いが、価格競争が激しく、特に中国本土や台湾は現地旅行会社の手配ルートが確立されていて参入が難しい」と説明。欧州からの訪日旅行については予約までの時間が長いことから手配がしやすい旨を語った。
さらに、仕入れ競争が激化する日本の宿泊施設についても、「アジアからの訪日外国人が多いなか、バランスを考えて欧州からの旅行者に興味を持つ宿泊施設もいるのでは」と期待を示した。14年から取り扱いを開始したアジア発の海外旅行についても、欧州行きの需要の取り込みを主眼に置きながら、日本もアピールしていくという。
新会社の資本金は2000万円で、出資比率はグループミキホールディングスが49%、トラベルロードホールディングスが51%。新会社のオフィスはトラベルロードホールディングス内に置く。将来的には第1種旅行業を取得し、日本旅行業協会(JATA)の「ツアーオペレーター品質認証制度」の認証も取得する考え。なお、トラベルロードホールディングスは新会社設立にあわせ、同日付で社名を「NEXT MANAGEMENT Holdings」に変更する。