15年訪日外客数が1900万人超に-アウト促進でパリに視察団
国土交通大臣の石井啓一氏は12月22日の会見で、12月19日に訪日外国人旅行者数が1900万人を超えたことを発表した。2015年の年間訪日外国人旅行者数は1900万人後半となる見込み。なお、日本政府観光局(JNTO)によれば、1月から11月までの累計は前年比47.5%増の1796万4400人だった。
石井氏は訪日外国人旅行者数の増加について、「ビザの緩和や消費税免税制度の拡充など、これまでの政府一丸となった取り組みが功を奏した」と喜びを示した。その一方で、「受入環境の整備など地方ごとにさまざまな課題が生じており、さらなる対応が必要な状況にある」と指摘。内閣総理大臣の安倍晋三氏を議長とする訪日旅行促進のための閣僚級会議「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において、必要な対応策などを検討している旨を話し、「年度内を目途に取りまとめるべく、検討を深めていきたい」と語った。
また、同氏は1970年以来45年ぶりに、訪日外国人旅行者数が出国日本人数を上回ることが「確実な状勢になっている」と説明。その上で「観光立国実現のためには、各国と双方向の人的交流を拡大・深化させることが重要」であるとし、アウトバウンドの増加に向けて、官民一体で取り組んでいく姿勢を示した。
国土交通省では、今年の4月に日中韓の観光大臣会合を開催し、20年における3国間の観光交流人口を3000万人に引き上げる目標を掲げた共同声明を発表。目標実現に向け、3国間での航空路線の充実、クルーズ船の就航促進などに努めている。また、石井氏によれば、11月に発生したパリの連続テロ事件で欧州方面へのツアーの予約が落ち込んでいることを受け、政府と旅行業界が一体となったミッション団を来年1月にフランスに派遣する予定。日本旅行業協会(JATA)が先ごろ発表したフランスへの使節団派遣と合同で実施する見通しで、詳細なスケジュールや参加者は現時点では調整中だが、観光庁からは審議官クラスが参加する方向で検討しているという。