さんふらわあ、18年の新造船をアピール、観光での利用増に期待
商船三井(MOL)グループはこのほど、都内で「メディア懇親会2015」を開催した。同社代表取締役社長の池田潤一郎氏は冒頭の挨拶で、今年7月に発生した「さんふらわあ だいせつ」の火災事故について謝辞を述べた一方、18年に導入する予定の2隻の新造船をアピール。貨物事業の低迷などにより「来年もますます厳しい状況がやって来ると覚悟している」と述べながらも「『MOL AS ONE TEAM』として(グループ全体で)臆することなく進みたい」と意欲を示した。
フェリーさんふらわあによれば、2014年の旅客数は、関西/九州間の3航路の合計で約53万人。大学のサークルやクラブなどの団体、帰省での利用が多くを占めるという。同社では現在、ツアーなどの観光客の利用者を増やすため、乗組員のサービスなどソフト面の強化をはかっているところ。18年の新造船の導入により、ハード面の強化も期待できるとした。
新造船のフェリーは総トン数1万3500トンで、旅客定員は709名。総客室数は113室とする。最上級クラス「スウィート」を12室新設するほか、「デラックス」を4室増やして全50室とする。また、スウィートの新設に伴い、今まで「ファースト」として提供してきた2番目のカテゴリの客室を「スタンダード」に統合。新たなスタンダードでは、ファースト時には共用だったシャワールームとトイレを各個室に設け、利便性の向上をはかる。そのほか、現在は48室ある相部屋の「ツーリストベッド」は14室に減らし、プライバシーを重視して個人のスペースごとに区切りを設けるという。