メキシコ、15年も好調、16年は15万人へ-007新作で忘年会

  • 2015年12月20日

メキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏  メキシコ観光局は12月16日、東京の映画館「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」に関係者を招き「忘年会」と称した映画上映会を開催した。全国で公開中の映画「007 スペクター」の冒頭のシーンで、十数分間にわたり、世界遺産に登録されているメキシコシティの歴史地区や、毎年同国で催されている祝祭「死者の日」の様子が映し出されることにちなんだもの。上映前に挨拶した駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏は「いつもとは違う切り口で、メキシコの魅力を見てほしい」と呼びかけた。

 終了後に本誌の取材に応えたエギアルテ氏によれば、15年1月から10月までの間に空路でメキシコに入国した日本人旅行者の数は9.8%増で、累計は9万4679人。通年では約1割増の約12万人に達するという。同氏によれば、そのほかに米国などから陸路で入国する日本人が年間2万人から3万人程度存在するため、実際には14万人から15万人に上る見込み。

 エギアルテ氏は、11月にパリで発生した同時多発テロ事件の影響については「間接的にはあると思う。海外旅行を控える人々が存在するのは確か」と述べ、日本人旅行者の約3分の2を占めると見るレジャー需要への影響を懸念。自動車関連企業の進出によりビジネス需要については好調な伸びを示していることから、全体の旅行者数は引き続き伸びるとの見方を示した。

 一方で「現在の成果にはそれほど満足していない」とも語り、16年の空路での入国者数については「大きな目標」と前置きした上で、15万人をめざす考えを説明。ビジネス需要のさらなる増加、米系航空会社やアエロメヒコ航空(AM)のネットワーク拡大、リオデジャネイロオリンピックの開催による経由地としての訪問増などが追い風になるとの見方を示した。

 16年は「ツーリズムEXPOジャパン2016」の開催時期にあわせて、世界各国を巡回中のドーム型の観光ピーアール施設「エンクエントラテ・コン・メヒコ」を公開する予定で、一般の旅行者向けにメキシコの魅力をアピールする。同施設は昨年6月にマドリードで初めて公開し、その後は北京やロンドン、パリで公開している。