鹿児島第2種の奄美エーストラベルが民事再生法申請、負債5億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、鹿児島県の旅行業第2種の奄美エーストラベルは11月24日、鹿児島地方裁判所名瀬支部に民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた。負債総額は約5億円。申請代理人は弁護士法人グレイスの大武英司弁護士、監督委員には寺田法律事務所の寺田昭博弁護士が選任された。
同社は1996年10月に設立された奄美大島では大手の旅行会社で、資本金は4500万円。99年にはレンタカー事業にも進出し、奄美大島で3軒の事業所を開設した。そのほか兵庫県尼崎市、鹿児島市、奄美大島南部の瀬戸内町などに営業所を設け、旅行事業、レンタカー事業、観光バス事業などを展開。ピーク時の2009年9月期には売上高約17億円を計上した。そのほか、本社所在地で「奄美ポートタワーホテル」を運営するなど、急速に事業を拡大した。
しかし近年は、同業他社との競合激化や、奄美大島への観光客の減少により、売上高は減少。12年9月期の売上高は15億9100万円に低下し、1845万円の赤字を計上した。しかし13年9月期には、売上高は13億772万円まで落ち込んだものの、経費削減などにより302万円の黒字に転換している。その後も低迷は続いたが、バニラエア(JW)が成田/奄美線に就航して奄美大島への観光客が増加傾向にあることから、借入負担の軽減のために民事再生法の適用申請に至った。
同社は1996年11月、全国旅行業協会(ANTA)に正会員として入会。ANTAによれば、14年10月には旅行業登録の抹消に伴い退会しているという。