HIS、電力販売事業に参入、店舗網を活用-HTB子会社で
エイチ・アイ・エス(HIS)はハウステンボス(HTB)の子会社であるHTBエナジーで、電力販売事業に参入する。2016年4月から電力の小売りが自由化され、一般家庭や小規模事業所向け電力の小売販売事業に新規参入できるようになることを受けたもの。一般家庭への電力供給の開始に向け、このほど小売り電気事業者の登録申請をおこなった。
サービスの内容は現時点では未定。HISによれば、電力の販売対象は沖縄以外の全国で、旅行会社の店舗網を活用して販売する計画だ。そのほかHISの顧客へのアプローチもおこないたい考え。運用開始時期は来年4月以降で、決定次第発表する。
HTBエナジーは今年の2月2日に設立された電気供給会社で、株主はHTBと再生可能エネルギー関連事業などを展開するスマートエナジー、HIS代表取締役会長の澤田秀雄氏の個人会社である秀インターの3社。出資比率はHTBが51.1%、スマートエナジーが34.0%、秀インターが14.9%としている。
HTBエナジーは今年8月から、50キロワット以上の電気を利用する顧客に対し電力を供給する「特定規模電気事業者」として、ハウステンボスに電力の供給を開始し、電気料金の削減をはかってきた。現在は大分県別府市に地熱発電所を建設中で、早ければ12月には供給を開始する計画だ。将来的には一般家庭に加え、ハウステンボス以外の企業にも電力を供給したい考え。
発電量の増加により、ラグーナテンボスやHIS店舗などへの電力供給についても「2、3年後には十分考えられる」(HIS経営企画室)という。HTBエナジーは現在、ハウステンボス内の本社に加えて福岡にオフィスを設置しているが、将来的には関西や関東にも発電所を置き、本格的に全国展開をはかる方針だ。