アクセスランキング、パリ同時テロが2週連続1位、ツアー再開

[総評] 今週1位は、先週に続いてパリの同時多発テロに関連する記事でした。先週は、テロに対する旅行会社や航空会社の初期対応状況が上位に入りましたが、今回は旅行各社がパリへのツアーの催行を再開した記事が1位になりました。

 テロやそれへの報復についての所感はすでに当欄で述べた通りで、観光業界がイニシアティブをとり平和に向けて一歩でも近づく努力をすべきであると考えます。繰り返しになりますが、観光業が平和産業であるならばその努力は義務です。

 先週の文章を読み返してみると、上記のような「観光が平和を前提とするならば」、「平和が観光にとって不可欠の要素であるならば」という仮定条件をしつこく書き連ねています。

 これは、本当にそうか、平和などそもそもありえない話なのではないか、それを前提にすべきではないのか、といった疑念が文面に出たもので、この不安は大なり小なり皆様もお感じになっているように思います。

 しかし、さりとてマクロで見れば平和なくして国際観光の発展が成り立たないことに異論の余地はないでしょう。そうであれば、平和の実現は可能だと「信じる」、この頼りない行為をよりどころとするしかありません。

 これも先週述べましたが、その実現を他人事とするのか、自らプレーヤーとなるのか、その選択も自分たちに委ねられています。そして個人的には、社業を大きく左右する条件を運任せにするのは感覚的にとても収まりが悪く、自ら望ましい方向に仕向けられるよう積極的に関わろうとするのが自然であると感じます。

 もちろん、夢物語のような目標ですし、まずは事業継続のための現実的な対応が求められます。今週1位の記事では、その一例としてツアー催行の再開をお伝えしました。

 フランスでは大統領が「戦争状態」を宣言し非常事態宣言も続いており、今回の催行再開は思いのほか早かったというのが率直な印象です。とはいえ、日常生活の継続をもってテロへの回答とするという市民の動きが報じられているところでもあり、旅行者として現地を訪れる日常を続けることも支援となるでしょう。

 とりとめもなく書いてきましたが、「平和を信じる」というふわふわとした観念と、事業の存続やリスクを同時に考えることは困難であり、ましてその両立の具体策は到底思い浮かびません。しかし、諦めればそれ以上の進歩はないわけで、やはりできる限り多くの人間がそれぞれの立場から考え続けること、それが進むべき道なのではないかと感じます。

 なお、今週は私事ながら金曜日に休暇を取っているため、アクセスの集計対象期間を木曜日までとしています。11月27日配信分の記事は来週分に含める予定ですのでご理解いただければ幸いです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年11月第4週:11月21日0時~11月26日19時)
第1位
主要旅行会社、パリのツアー再開へ、出張は自粛傾向(15/11/22)

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第6位
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第7位
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第8位
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第10位
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