観光庁、日本版DMO候補法人の登録制度創設、12月募集開始へ

  • 2015年11月26日

 観光庁はこのほど、日本版DMO(Destination Management/Marketing Organization)の候補となりうる「日本版DMO候補法人」の登録制度を創設し、12月上旬にも募集を開始すると発表した。「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役としてのDMOを、日本の各地に形成することがねらい。登録されたDMO候補法人は関係者と協働して戦略を策定し、実施に向けて調整をはかり、それに対して関係省庁が支援をおこなう。今年の6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」では、5年以内に65から90程度の日本版DMOを育成する方針が発表されたところ。

 候補法人の登録にあたっては、複数の都道府県にまたがる観光地域づくりをおこなう「広域連携DMO」、複数の地方公共団体にまたがる観光地域づくりをおこなう「地域連携DMO」、単独市町村による観光地域づくりをおこなう「地域DMO」の3区分による登録を実施。「広域連携DMO」と「地域連携DMO」の形成にあたっては、地域間でコンセプトなどを共有していれば、地域が隣接している必要はないとしている。各地域はDMOの形成計画を作成し、地方公共団体との連名で申請。なお、申請の時点で法人が存在して活動している必要はなく、構想の段階での申請も可能とする。

 観光庁長官の田村明比古氏は、11月18日に開催した業界誌向け定例会見で「観光協会などの団体は各地にあるが、観光業者だけの取り組みに終始しており、関連産業や住民を幅広く巻き込めていない」と指摘。データの収集や科学的なマーケティングに欠ける取り組みも多いとし、効果的なブランディングやプロモーションの実施のためには、民間的な手法に長けたDMOの存在が不可欠との考えを示した。

 今後決定するDMO登録のための要件としては、多様な関係者間において合意の形成ができるか、データ収集により実効的な戦略を立て、PDCAサイクルを継続できるかなどの点を重視する考えを説明。そのほか、法人として運営していくための資金なども必要になるとの見方を示した。