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アクセスランキング、1位はパリ同時テロ-観光業から平和を

[総評] 今週は、パリで発生したテロに関連する記事が複数ランクインしました。世界中の人々が憧れ、訪れる世界一の観光都市がこのような惨劇の舞台となったことに、息苦しいまでの悲しみを覚えます。亡くなられた方々のご冥福と負傷された方々の1日も早い回復を心よりお祈りします。

 ただ、直後に始まった報復の空爆によっても、犠牲者の数は増えているでしょう。常日頃から国際交流や相互理解の意義について思考を巡らし、その発展を念頭に置いて媒体を運営し、当欄でも皆様に呼びかけてきたわけですが、悲しみの連鎖を前に無力感を禁じえません。

 「観光産業は平和産業である」とよくいわれますが、これが正しいのであれば、観光産業で働くすべての人間は、平和とはなにかを考えそれに一歩でも近づけるよう行動しなければなりません。観光が平和を前提とするならば、それは義務です。

 もちろん、無力さがあらわになるこうした事態に対し、影響がいつまでどの程度続くのかだけでなく、中長期的に情勢がどう変化するかを分析し、それをもとにビジネスを継続していく冷静さも求められます。

 しかし、平和が観光にとって不可欠の要素であるならば、本気でそれを突き詰めていかなければ、いつまでたってもこうした不幸がなんとか起こらないよう願うばかりで、事業基盤を自分たちではない何者かに委ね続けることになってしまいます。

 インバウンドの観点からしても対岸の火事ではありません。ニューヨークやパリで起きたことが東京で起きないとは誰も断言できないでしょう。

 理想、夢想と揶揄されたとしても、その努力を笑う人間に観光に携わる資格はありません。つかの間の平和的状態のおこぼれにあずかることを当然とするのではなく、無限とも思える道のりであったとしても観光業界自らがイニシアティブをとって平和を希求していく、せめてその意識を共有したいと切に願います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年11月第3週:11月14日0時~11月20日17時)
第1位
パリで1月に続きテロ事件、主要旅行会社はツアー中止も(15/11/14)
航空会社各社、パリのテロ事件で航空券の払戻対応実施、行先変更も(15/11/16)
航空各社、パリ事件で変更や返金に対応-観光地は営業再開(15/11/18)

第2位
マリオットがスターウッド買収へ、計5500軒超-1.5兆円規模(15/11/17)

第3位
成田中間は増収増益、通期も上方修正-次期中計は5テーマ設定 (15/11/15)

第4位
JTB、15年度上期は売上微増、営利2割増-国内と訪日が牽引(15/11/16)

第5位
コスタ、16年夏に日本発着クルーズ10本-日本支社も開設(15/11/17)

第6位
ANAHDと三重県、観光振興などで協定、「国際的都市」めざす(15/11/16)

第7位
アエロメヒコ、成田線の復路を直行便化-1月11日から(15/11/16)

第8位
モルディブ、非常事態宣言発令も「観光に影響なし」-1週間で解除(15/11/16)

第9位
主要49社、15年上期の海外旅行は9.6%減、単価は2.5%増(15/11/17)

第10位
阪急交通社、大阪新店オープンで記念ツアー、欧州も催行(15/11/18)